11話 『大変な一日でした』.91
戦闘途中で終わってたのでちゃんと終わらせます
さて、ちょーとセコいが使うしかないな。
「マイク、氷の檻を解いてくれ」
「いいのかい?」
「あぁ」
「OK」
マイクが氷の檻を解くと、猫阿修羅が右前脚を大きく振り上げる。その隙に懐に入り、残りのMPを全て注ぎ、猫阿修羅に向かって【熾天使の十字架】をぶつける。
それにより、腹に十字の傷が入った猫阿修羅は後ろに仰け反る。
今のうちに装備を変更。神樹防盾も収め、黒渦シリーズを装備する。
「マイク、俺にも攻撃してくれ」
「Why?」
「今の俺は魔法攻撃をMPに変換して取り込める。この状態なら俺のMP残量を気にすることが無くなる」
恐らく、マイクのラップは精霊魔法と同じ理屈。ラップで出る攻撃はMPを使わない。
「I see」
魔法やスキルは猫阿修羅だけに向かい、ラップで生成される氷柱は俺にだけ飛んでくる。その氷柱が、俺の周りで分解され黒い渦の中へと呑み込まれる。呑み込まれたそれは、MPに戻り、俺へと吸収される。
MPを吸収した今わかったが、マイクのNOWは相当強いらしい。氷柱1つで俺のMPをMAXにできるようだ。外付けで容量を増やせる装置があって良かったな。
余談はさておき、マイクから吸い取ったMPで猫阿修羅へと攻撃をする。
さて、こちらに上限はほぼない、あとは時間の問題だぞ、猫阿修羅。
一撃、また一撃と着実にダメージを稼いでいく。よりダメージを出せるのは【堕天】状態だが、【昇天】状態でも申し分ないくらいのダメージは出せる。
着々とダメージを入れている最中、猫阿修羅が攻撃を無視してモーションを取ろうとする。前脚を大きくあげ、横に振るう。
俺は攻撃に集中していたため、それに対してガードが間に合わない。来ていることはわかっているが、視界に入ってないので【自動防御】も使えない。
そして、避けようと、猫阿修羅の懐に飛び込んだと同時に、猫阿修羅の腕が地面に落ちる。
「え?」
なんらかの攻撃のよって腕が斬れた猫阿修羅は、痛がるように体を起こす。
なんにせよ好機だ。一か八かで落ちた前脚に触れると、MPが蓄積される。これで、MPは万全。痛がる猫阿修羅の懐に入り、剣を振るう。
「これで、ラストだ」
俺の【熾天使の十字架】とマイクの回転する氷柱が、猫阿修羅の体を貫く。
『討伐 ニャゴ・アルター・シュネッグ・エキシィラァヴァLv72』
『Level up →Lv55』
『VITが430になりました。STMが200になりました』
『ステータスポイントを20手に入れました』
『VITが450になりました』
何も考えず、VITにステータスポイントを注ぎ込む。
「と、やっと終わった」
元々疲れていたとはいえ、猫阿修羅は相当な強敵だった。万全な状態であったとしても一人じゃ勝てないだろう。いや、行けるか? 溶岩も取り込めることがわかったし、最初から黒渦を使えばなんとかなるのか? まぁいいや。
アイテム確認も後でいいな。
「さて、隠れてないで出てこいよ」
俺は近くに生えている少し大きめの木を見上げながらそう言う。
「別に隠れてないがな」
すると、それに対し返事をしながら、木の上から人影が降りてくる。逆光で見えずらかったが、だんだんと目が慣れていき、その姿が見える。案の定、リヒトであった。
「まぁ、戦闘中でも気付けるくらい目立ってたし、隠れる気はないわな」
「普通に戦闘に参加したくなかっただけだ」
「嘘つけ、助けてくれたくせに」
「あぁ? なんのことやら」
「YOUのお友達かい?」
「んーあぁ」
友達って訳じゃないが、説明するのも面倒くさいし、マイクとはこれから関わることもあんまりないだろうから別にそういうことでいいだろう。
「で、なんの用だリヒト?」
「やることが終わったからな。いろいろ考えて、俺はお前についていくと決めた」
何言ってるんだ、こいつ? いやでも、それはそれで好都合か⋯⋯うーん、まぁいいか。
「別にいいけど、俺もお前もノーシュもちょっとキャラが似てるからわかりづらくなるだろ?」
「あ?なんの話だよ。でもまぁ、変えろってんなら、変えるが。ずっとロールプレイしてりゃあいいんだろ?」
「そうしてくれ」
「んでよぉ、一旦ここを離れた方がいいぜ。今さっきお前が倒したのは番の片方だろ?」
え?いや、確かに。子供がいるってことは番がいるってことか。じゃあまずいのでは?あ、なんか遠くの方で砂埃上がってる。稲妻纏いながら砂埃が待ってる。
「早くラウムをだせ、逃げるぞ」
「そこのお前も乗ってけよ」
「Thank you ボーイ」
◇◆◇◆
あのあと、ラウムに乗ってデゼルト・ガルターまで戻り、宿でログアウトする。
頭も体ももう限界だ。よし寝よう




