表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀の騎士と黎明の星  作者: 月乃杜
第二章:獄焔剣
82/85

第82話:Crystal Chronicle

.

 この世界で信仰される一二神。


 天王神オーディアン。


 水晶神クリスタル。


 水晶姫アメジスト。


 風神姫ローアラーナ。 


 水王神シルヴァード。


 地神姫アドライナ。


 焔王神イグナイター。


 精霊姫トールード。


 竜轟神グリューナー


 光陽神ソルザーン。


 闇月姫アルテリア。


 命奏姫ハーピューン。


 これがこの地上で人間や竜人や妖精などに信仰をされているというが、矢っ張り地球とは違った神様なのは間違いないといった処か。


 因みに、神号に“姫”と付いているのは女神という事らしい。


「どうでも良いけど、大邪神ストルムカイザーは“姫”とは付かないけど女神らしいんだよね」


「ストルムカイザー? ぐっ!?」


「ケイン!」


 大邪神の神名を聴いて酷い頭痛を感じて蹲ってしまう俺に、ミスティが心配をしてか手を差し伸べてくれて肩に柔らかくて温かい感触が。


「だ、大丈夫……だ……」


 どういう事かは理解(わか)らないのが、俺を襲ったのは可成りの頭痛だ。


「おいおい、どうしちまったんだよケインは?」


「そうだよ!」


「わ、判らん……」


 大邪神ストルムカイザーの神名が俺の中のナニかを刺激したのは間違いなく、ひょっとしたなら過去に某かが有ったりしたのだろうか?


「ミスティは……何か、知っている……のか?」


「……知ってる。だけど果たして、三人がちゃんと理解出来るかは」


「教えて欲しい……」


「判ったよ」


 頷いたミスティが、覚悟を決めた様に俯いていた顔を上げる。


「ケインは前に私が言ったスキルの話って覚えているかな?」


「覚えてるけど」


「ユニークスキルが顕れるのなら、それは唯一無二だから同じスキルを持つ人間は現れない」


「そ、そうだな……」


 唯一技能、レアリティならばUR、そして決して同じスキルは同時代には顕れないと云われてる。


「同時代に顕れないのは前にも言っていた通り、星神テリアル様が魂に刻んでいるからなんだよ。若しこのユニークスキルが別に顕れるとしたら、それは新たに別の人間として魂が入れ換わってしまっているから」


「詰まり転生したらって事だろ」


「生まれ変わりをちゃんと理解しているんだね。数百年前、私の【魔導妃】とケインの【錬成王】は別に担い手が居たんだ。詰まりは私とケインの生まれる前のね」


 俺だけでは無く、ランスとスピアも目を見開いてしまう。


 それは俺の……というかケイン・ユラナス君の前世って話か?


「初代から数えて三代目に当たるテンルィー・セイル・マーレイア陛下、それが貴方の……ケインの以前の人生なんだ。そして私の以前の人生は、メイフィリア・ヴィナーシュ・マーレイア王妃」


「って、それは確かミスティの御先祖様だっていうアルフィリア・ヴィナーシュの姉だっていう」


「そうだよ。言うなれば私は、アルフィリアの子孫であり、嘗てはメイフィリアでもあったんだ」


 更に表情が曇るミスティ、どうやら彼女は前世以外の他にも某かを知っている様である。


「大邪神王ストルムカイザーの名前は前世に於いても挙がっていたんだ。当然ながらテンルィー・セイル・マーレイア陛下……以前の貴方も聴かされていた事だからね」


 だからか、この頭痛は改めてその大邪神とやらの名前を聴いてしまったからか、俺の魂が大邪神の神名を刻んでしまっていたからなんだな。


 然し、そうだとしたら地球に存在している七王剣は何の為に? まさか大邪神ストルムカイザーなんてのが存在するとは思えないし。


 抑々にして、何で地球にも七王剣が在るんだ?


「大邪神王の分身だとも云える邪神、彼奴から聴かされたんだ。大邪神王ストルムカイザーという神名をね」


「それでか……」


 恐らくは邪神とやらと可成りの死闘を繰り広げたのだろう、しかも俺が酷い頭痛を感じる程にはヤバいレベルの闘いだったのに違いない。


「まさか……」


「うん?」


 【Crystal Chronicle Ch】という、美衣奈が付けたチャンネル名は水晶神に関わる者の戦記から?


 若し、そうだとしたら俺や美衣奈は若しや? それだけじゃなくて、槍太や璃亜もそうなのか?


 いや、然し……だとしたら地球とテラルの関係性ってのは?


 判らない事を判らない侭にしても仕方が無いからな、彼方側に戻ったら美衣奈に訊いてみるしか無いんだろう、場合によってはミスティに訊いても意味が解らないだろう。


 そういや、美衣奈は何だか此方側に付いて既知みたいな話をしていた気がするしな……


「ミスティ、若しも俺が『ミスティ』を教えて欲しいと言ったなら、全部を教えて貰えないか?」


「へ? 良いけど……」


 小首を傾げるミスティが頷いた。


「さて、ケイン」


「うん?」


「話はだいたい判って貰えたとは思うんだけど」


「そ、そうだな。神様だの何だの処か先祖が王様だったり前世だったりと、頭が痛く成りそうだ」


「かもね」


 若しかしたら、ミスティはメイフィリア・ヴィナーシュ・マーレイアとしての記憶を持った侭、転生をしているのかも知れないな。


 前世がどうのとか、話題的にアレだから余り深くは訊けないけど。


「それじゃ、取り敢えずの話は終わりだよ」


「そっか」


「他に何か訊きたい事は?」


「今は無いな」


「ん、判ったよ」


 俺……というより、ケイン・ユラナス君が大昔に生きていた英雄の子孫にして転生者なのか。


 問題なのは、そんなケイン・ユラナス君と俺の関係性だろうな。


 考えられるのは俺自身がケイン・ユラナス君の転生、そうでないと今のこんな状況に成っている事自体が考えられないし、それに此方側の聖霊剣を扱えるのがケイン・ユラナス君、なら聖霊剣を同じく使えるのなら彼方側の俺がという事か?


 俺が彼? とは名前が同じなのも意味が有ったのかも知れない。


 これに関してはミスティに訊ねても意味はあるまい、それに転生者だから使えたというより寧ろ同じ血筋だったから使えているのか?


 そうすると、彼方側と此方側での世界間の関係性っていったい?


 話し合いも終わったが、ランスも訓練だとスピアと共に部屋を出ていった為に、俺は聖霊の森やアルヴァン大火山で獲た素材で義肢造りを。


「スケルトンの骨とリザードの血とスライムゼリーは確り有るし、人間を構成する素材も無くはないから何とか造れそうだな。流石に完璧な物は造れないにせよ、ある程度の品質の代物には成りそうだな」


 魔物の肉でも充分に使える、取り敢えず一旦は完全にニュートライズしてしまえば良いからだ。


「本来なら義肢は使う人に併せる必要性が有る訳だけど、俺が考えた通りに造る事が出来れば汎用化をする事も可能であるかも知れないな」


 形状にしても脚や腕を模す必要は無いだろう、要するに装着をした際に喪われた四肢に変換されれば良い、即ちそういう魔導具を造るんだ。


 義肢の問題点の一つが大きさだ、当たり前だけど喪われた四肢の分の大きさが必要となるのだ。


 仮に膝から下だけでも中々に大きいのだから、常に装着はしていられないから置き場に困る。


 それから重量、物によっては足首などガッツリ金属を使用するからどうしたって重たいから。


 寝る時は勿論、外出をしないのなら義足なんて着けては居られない。


 携帯性に富む形に出来るのなら上々だと思う。


 将来的には五感も擬似的に感じられるくらいに本物そっくりな義肢を、俺が目標として考えているのは其処まで完全なる物なのだから。


「今すぐにとはいかないけどな」


 取り敢えず簡易的な義肢が造れれば今は良い、取り敢えず造って誰かしらに試して貰うだけだ。


 何しろ、此方側は彼方側と違ってダンジョンに入って『死んだらペッ』では無く本当に死ぬ。


 だから四肢を喪ったら死ねば良いも通じない、きっと此方側には四肢を喪った冒険者達も多いかろう。


 だからこそ、実験台に成ってくれる冒険者は幾らでも見付かる筈。


「良し、完成だ!」


 多少の時間が掛かったし、魔力や精神力も結構な量を使ってしまって疲労感が半端無いけど、何とか一個だけだが完成する事が出来たな。


 形だけは脚っぽいナニかだ。


 これを脚に添えて当人の精神力を流せばそれに併せる事で、相手の脚に確りとフィットする形に変形した上で装着される筈、勿論だけど外す事も簡単に出来ると思う。


「お~! 何だそりゃ?」


「ランス、戻ったのか。これは一応だけど義足」


「脚っぽい形をしていると思ったがそれが義足なのか?」


「まぁ、そうだな」


 後は治験をするだけだし、次に此方側へ来た時に冒険者ギルドで募集を掛けてみようかな?



.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ