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銀の騎士と黎明の星  作者: 月乃杜
第一章:聖霊剣
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第48話:美衣奈の能力値

.

 卦韻が売却をするのは飽く迄も量産された鏡、今朝方造り上げたステータスミラー(仮)は自分用として持っておき、配信の為に出掛ける。


 本日は美衣奈とのダンジョン探索兼配信をするべく動く訳だ。


「おはよう、美衣奈」


「うん、おはようケイン」


 笑顔を向けられて、卦韻が挨拶をすると美衣奈も返してくる。


「昨日、父さんに瑠亞姉さんからBランクの魔核を送られて来てね、それを使って新しく魔導具を造ってみたんだ。これがステータスミラー」


「ステータスミラー?」


「ステータスを鑑定が可能な鏡だ、詰まり今までに視れなかった能力を視られる様になる鏡だね」


「へぇ、面白そう」


 見せられた鏡を手に取る美衣奈、そして自身の魔力をソッと流す。


「あ、映った」


 鏡の表面に文字が浮かんだ。


 愛坂美衣奈 職業:術士 レベル12 HP45 MP183 SP74 腕力13 体力21 脚力43 器用72 耐性:火35 水43 風72 土32 氷21 雷13 樹72 闇48 光33 スキル【UR魔導妃】【SSR精神快癒】【SR魔力操作】【SR瞬間記憶】【N魔力増幅】【C魔書】【C早口】 


「へぇ、凄いねケイン」


 何故に鏡だったのか判らないが、兎にも角にも確かに美衣奈のステータス情報が映し出された。


 その正しさは美衣奈がよく理解しているのだ。


「フフ、矢っ張り違うね」


「何が?」


「何でも無いよ♪」


 呟く美衣奈、それに付いて卦韻が訊ねるけれどニコニコしつつ首を横に振り、鏡を返してきた。


「これを使えば、冒険者ギルドも色々と効率化されそうだね」


「と言うと?」


「今まで、レベルは自己申告制だったからねぇ。当然の様に嘘申告も有ったんだよ。そんな見栄っ張りな御莫迦さんの所為で、瑠亞姉のランクアップも遅れちゃったからね。本当なら一年以上早まる筈だったのに」


「そういう事か」


 水無瑠亞は今年で大学の三期生、数えでは二十歳に成るけど去年にギルドランクAに昇格して、配信もしない攻略型の冒険者だったけど知らない人間は居ないくらいになる。


 冒険者は配信無しの攻略ガチ勢、そして配信を重視している配信型が居るけど、水無瑠亞の場合は後者のタイプであるのだという。


 その為、彼女としては出来るだけ早めにランクAへの昇格をしたかったのに、美衣奈が曰く御莫迦さんの所為で審査が難航したのである。


 何せ、レベルを偽れるから御役所仕事なギルドは審査に時間を掛けてしまったし、瑠亞もステータスを見れたらとよく考えていたものだ。


 ランクアップには最低限のレベルが有るから。


「さて、行こうケイン」


「そうするか」


 鏡は仕舞って愛坂学園に向かう。


 ダンジョン前に来たらボストンバッグに不要な物は仕舞うと、装備品を確りと装着して一階層の部分に入り込んで、ドローンのスイッチを入れると空中へと飛ばした。


 更にスマートフォンを着けて配信開始をする。


「God morgen!」


〔グモーン!〕


〔おはよう!〕


〔何か日が空いたね~〕


「アハハ、私達も生活の全てを配信に懸けている訳じゃ無いからね。そんな事より重大な発表が有るので、少しだけ探索は待って下さいね」


 早速のリスナーから獲たコメントに返していく美衣奈。


〔重大な発表?〕


〔ミスティちゃんが、ケイン君とお付き合いを始めたとか?〕


〔〔〔っ!?〕〕〕


 変なノリで訊いて来たと思えば、ショックを受けたらしいリスナーが数人? 居たらしい。


「そうだったら嬉しいんだけどね、残念ながら違うんだよ」


〔いやいや、魔法使いのミスティたんの足手纏いでしかないよね。剣士がおんぶに抱っこじゃん〕


「……あん?」


 女の子が出しちゃいけない低くて地の底から響く様な声色を出して、額には青筋を立ててスマートフォンというか配信ドローンを睨んだ。


 卦韻はゾクッと背筋が凍る。


「やらかしたな」


 正しく頭痛が痛いという奴だ。


「ケインの良さも、強さも知らない癖に何を寝言を言ってんの?」


 地獄よりの使者の如く声色が余りにも怖いのか、卦韻もそうだけれど善良なリスナーが震えてしまう。


「まぁ、どうでも良い人間にどう思われようと構わないぞ?」


「私が赦せないよ」


「そうかぁ」


 それを言われては弱い。


「それと、『たん』とか気持ちが悪いんで止めてくれないかな?」


〔ぐっ!?〕


 それっきり、そのアカウントは居なくなった。


「さてさて、それじゃケイン。アレを出してみてくれる?」


「うん、若しかしてステータスミラーの事か?」


「そうだよ」


「了解した」


 ボストンバッグから例の鏡を取り出した卦韻、ステータスミラー(仮)に魔力を流し始める。


〔こ、これは!?〕


〔まさか、ケイン君のステータスが鏡に!〕


〔うっそだろ!?〕


〔レベル14って……〕


 リスナーのコメントが騒然と成ってしまっているのは当然、今まではステータスを視る術が無かった事はリスナー達も知っている事だから。


「さっきの気持ち悪い人がケインを役立たずみたいに言っていたけど、このステータスミラー(仮)はケインが造り出した魔導具だよ。これまでは、自己申告制だった嘘偽りを言えるモノたって訳。これだけでもケインは数百万円を稼げるのにね」


〔マジか~〕


〔数百万円を一気に稼ぐ男!〕


〔ケイン君は魔工師だった?〕


 居なくなった気持ち悪い誰かしらとは違って、他の善良なリスナー達は驚きながらも祝福気分でコメントをくれており、卦韻はちょっとばかりだが驚愕をしてしまうけど、矢張り悪くないと思えてしまっていた。


「それじゃ、そろそろダンジョン探索行っくよ」


「応っ!」


 卦韻が纏うのは漆黒のデスコーピオンの甲殻鎧であり、その腰に佩くのは聖霊剣クリスタリオンでは無く錬鉄製の剣に替える予定だったが、卦韻がスキルにて玉鋼を用いて造る鋼鉄の剣を獲られると気付いた為、そちらの方の採用をしている。


「クリスタリオンじゃ無いね」


「ああ、錬鉄製の剣を愛坂家で貰って来てスキルで鋼鉄の剣に変換をしたのさ。玉鋼と同様の鋼鉄に成った武器として生まれ変わったんだよ」


「そういえば、ウチにはクリスタリオン以外に他の程度の低い武器も有ったね。それを使って造ったんだ。スキルを使い熟し始めてるんだ」


 佩かれた鋼鉄の剣を腰から抜剣をした訳だけど、単なる鉄製の剣から鋼製の剣として強度や硬度や粘度を持ち、攻撃力も単純に鉄の剣を強化してしまう“鉄の剣+◯”よりもずっと高めに成っていた。


 勿論、聖霊剣クリスタリオンと比べると攻撃力が低いけれど、それでも可成りそちらへ近付いている筈。


「転移門から第五階層まで降りて、其処から更に下に五階層を降りるよ。それで一〇階層の転移門を使って地上に戻ろっか? せめて春休み中にはこの初心者ダンジョンの踏破をしたいからね」


 これが美衣奈の春休みの計画であったらしい。


〔初心者用のダンジョンを高校に通う前から踏破するとか?〕


〔初心者用ダンジョン(笑)とはいったいwww〕


〔普通は授業中の実技で、浅い階層のみ降りるんだけどな~〕


 リスナー達もコメントしている。


 愛坂学園で管理をしているのは、浅層を授業で使って素人同然な冒険科の生徒を慣れさせる為であって、本来ならレベルの低い者が何のレクチャーも無しに、平然と降りて行けるものでは無い。


 元々、卦韻は父親が冒険家としての側面を持っていた……と思い込んでいたから、素直に戦闘訓練を受けていて心得自体は有った訳だ。


 美衣奈に至っては、抑々にして冒険者に成る気が満々だったからか、初めから冒険者として戦闘訓練を行っていたらしい事を最近聴いてた。


 卦韻もこの話には正直、驚愕したものである。


「は~い、此処はB5と成ります。此処から私達は更に五階層下を目指して降りていく所存ではあるんだけれど、イレギュラーと対峙した場合は斃す斃さないに拘わらず、第一層にまで戻るからね」


 出てくる魔物も少しずつ強く成ってくる頃だ。


 そして、早速顕れたのは……


「う~ん、単なる雑魚だね」


「そりゃ、棍棒を持っただけのゴブリンじゃな」


「取り敢えず私が殺るよ、少しでも存在力を獲てケインにレベルで追い付かなくっちゃいけないんだよね」


「そういや、美衣奈はまだ二つくらい低いもんな」


「そうそう、という訳で過激に苛烈にファイヤァァッ! 火球(イルクーレ)ッ!」


 指先から火球が高速でゴブリンへ飛んでいく。


「アギャァァッ!?」


 中々の火力であるが故にゴブリンは全身を燃やされて悲鳴を上げて、ジタバタと地面に転がってのた打ち回って火を消そうと試みるものの、火勢が衰える事を知らず……というか美衣奈が次々と火球を撃ち込むから更にゴブリン的な大火災に。


「グギャァァッ!」


 遂には力尽きて、棍棒を持っただけのゴブリンは魔素へと還り、魔核だけを残して消えて逝く。



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