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魔術師たちのカナデアイ~交錯する想いと戦い~  作者: 衣月美優
第五部 中級戦闘魔術師昇格試験
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第九十六話 三次試験に進むためには


 ケヴィンたちの試合が終わると、次はビトたちのチームの番だった。

「このチームは協調性あるから、きっと大丈夫ね」

「だな。しかも、ビトの頭があるから最善策で勝てるんじゃね?」

 ビト、マリアン、ナタリオは、協調性を欠くような行動はしない。この試験に容易く受かるだろうチームだ。

「ま、気軽にいこうぜ。今年ダメでも来年があるんだし」

「うん、そうだね。いつもどおりやろう」

「わ、わかった」

 ビトの言葉に、マリアンとナタリオは同意する。

「とはいえなぁ・・・ジャニス隊長はともかく、シリル補佐官がな。落ちたら相当文句言われそうだ」

「うっ・・・そうかも」

 シリルの名前を出されて、マリアンとナタリオは青ざめた。

「シリル補佐官も、僕たちに修行つけてくれたもんね」

 ナタリオは青ざめながら、そう口にする。

「多少は頑張んなきゃだな」

「そ、そうだね」

 ビトの言葉に、マリアンとナタリオは肩の力を抜いたり入れたり、振り回されている。

「大丈夫だって。この試験は実力を問うもんじゃねぇからな」

 ビトは、肩の力が入りすぎているマリアンとナタリオに、そう声をかけた。

 ようやく試合が始まり、ビトたちは体制を崩さないように、細心の注意を払いながら戦った。

「オレらの連携、見せてやろうぜ」

 ビトの言葉により、三人はそれぞれ魔術を発動する体勢に入った。

「“ソーン・キャップ”」

 まず、ビトの拘束魔術により、相手の動きを封じた。

「アクア・フロー」

 次に、マリアンの魔術によって、相手の上から水が降ってきた。

「“ドナ・スピア”」

 次に、ナタリオによる雷の槍が降り注いだ。

 相手は、槍によって拘束が解かれ、すばやく降り注ぐ槍から逃げる。

「“スコール・クラッシュ”」

「“フェイル・カッター”」

 逃げる相手に対し、ナタリオとマリアンが魔術を仕掛けた。

 二人の魔術が合わさって、疾風によって勢いのついた鋭利な葉が相手に刺さっていく。

「最初の三人の魔術はフェイントだったってわけね。さすがビト、考えてる」

「失敗させたように見せて、実はそれ自体が計算の内だったってわけ?」

「そういうことね。じゃなきゃ、あんなに迷いなくマリアンとナタリオが攻撃を出せるわけないもの」

 シーラの言葉に、カキは感嘆の声を漏らした。

「それに、前に私がああいう戦い方してノーマ先生に負けたじゃない?つまり、ああいう戦い方をすれば、相手が失敗すると油断するかもしれない。それも計算に入ってたのかも」

 シーラが言うように、たしかに相手は最初の攻撃によって、多少は油断していたのかもしれない。逃げたときの動きが、そう感じさせた。

 ともあれ、ビトたちは相手に勝って、協調性もあるということで、無事に二次試験を通過した。




 いよいよ、カキたちが試験を受ける番となった。

「カキ、シーラ、ニコラス」

「隊長!」

 試合会場に通じるゲートの前に、ブレットが立っていた。

「いよいよ、お前らの番だな。しっかりやれよ?協調性についちゃ、ノーマに嫌ってほど教え込まれたんだろ?三次試験に進みたいなら、協調性を持って戦え」

「わかってるよ。そんで、やるからには勝つ!」

「ここから見てるからな。ま、頑張って来い」

 ブレットの言葉に背中を押されながら、カキたちは試合に挑んだ。

 三次試験に進むためには、チームメイトと協力することが絶対条件だ。

 カキとニコラスが協力することができるか不安だが、シーラはそれをまとめるために動こうと決意した。


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