第九十五話 二次試験進出
一次試験は無事に通過したカキたち。一次で落ちた人なんか、ほとんどいない。
三日後の二次試験では、各チームごとで試合を行う。相手は、中級、上級の戦闘魔術師だ。
ここではチームワークが試される。チームワークが良ければ、最善策で戦っていれば、勝ち負けは関係なく三次試験に進出できる。
とはいえ、当然、カキのチームは勝ちにいく。
「やるからには勝つからな」
「あったりまえだろ」
シーラはともかく、あとの二人が勝ちを狙わないわけがない。
「じゃ、ちゃんと力を合わせようね!」
シーラは、でこぼこな二人をまとめるため、そう言った。
二次試験の日。試合をしない時間は、ほかの受験者の試合を見ることができる。
カキたちの試合は後半だったので、ほかの受験者の試合を見て、相手の戦い方を見たり、そのチームの戦い方を学ぶことにした。
「あ、次、ケヴィンたちだ」
カキは、試合会場に出てきたケヴィンを見て言った。
「あ、シーラちゃーん」
ケヴィンもカキたちに気づいたようで、シーラに笑顔で手を振る。
「あはは、余裕だね、ケヴィン」
ケヴィンに軽く手を振り返しながら、シーラは言う。
「実力だけで言えば、ラウラがいるしな」
「でも、実力だけじゃ、この試験はクリアできないよ?大丈夫かな?」
「マイペースだもんな、あいつら」
カキとシーラはそんなふうにケヴィンたちのことを考える。
試合が始まり、カキたちの予想通り、ケヴィンたちは好き勝手に動いていた。
だけど、何となくそれでうまくやれているようにも見える。
「ジャスパー、前より速くなったな」
カキは、ジャスパーの動きを見て言う。
もともと、ジャスパーはすばしっこいやつだった。相手との距離を詰めるのが得意で、いつだってその素早さで相手との距離を一気に詰めていた。
その速さが、以前よりも速くなっている。この調子でいけば、そのうち目で追うことなど不可能なほど速くなりそうだ。
「うん。ラウラも、一撃の重みがさらに重くなってるみたい。ケヴィンも、魔術の性能が上がってる」
カキの言葉に、シーラはそう答える。
確実にレベルアップしている同期たちに、負けてはいられないとカキは思った。きっと、ニコラスやシーラも思ったはずだ。
自分の成長は、自分ではよくわからないもの。こうやって、客観的な立場から見てもらわなければ、自分の成長には気づきにくい。
自分が成長できているのか、カキにはわからないけれど、ただひたすらに自分が目指す戦闘魔術師に向かって頑張ろうと思った。
「あ・・・」
カキが声をあげたとき、ジャスパーの速攻が止められた。
ジャスパーは地面に倒れる。
ラウラとケヴィンは、それ以上ジャスパーに攻撃がいかないようにしているのだろうが、お互いがお互いを邪魔している。
「ぐだぐだだ・・・」
カキはそう呟いた。
やはり、ケヴィンたちは良くも悪くもマイペースなので、チームワークはあまりよくない。協力ができていないから、動きが合わない。邪魔をし合うことになる。
結局、ラウラの力で何とか勝利はできたものの、この試験の求めているものに答えられなかったことから、ケヴィンたちは二次試験を通過することはできなかった。
「あーあ、せめて三次試験にはいきたかったよね。そしたら、もっと大勢の女の子たちに見てもらえたのにさ」
ケヴィンは残念そうにそう言った。
三次試験は誰もが観戦できることになっている。ケヴィンはそれを惜しんだのだ。
カキたちは二次試験を通過することはできるだろうか。




