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魔術師たちのカナデアイ~交錯する想いと戦い~  作者: 衣月美優
第五部 中級戦闘魔術師昇格試験
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第九十三話 中級戦闘魔術師昇格試験に向けて


 カキたちはもちろん、ほかの下級戦闘魔術師たちも中級戦闘魔術師昇格試験に向けて、修行、特訓を行っていた。

「お前ら、ちんたらするな。中級戦闘魔術師昇格試験が近いんだぞ」

「あれ、今日、ジャニス隊長は?」

「今日はいない。オレがお前たちの修行を見ることになっている」

「え・・・」

 チーム・ジャニスの特別補佐官、シリル・ベストの言葉に、マリアンとナタリオは怯えた声を出す。

 シリルは金髪のトゲトゲした髪型が特徴で、とてもクールで冷たい印象を受ける人だ。上級戦闘魔術師で、実力もかなりあり、ジャニスにとても信頼されている。

 だが、マリアンとナタリオはシリルが苦手だ。ビトは物怖じせずに関わっているのだが。

「わかったら、さっさと始める。時間は限られてるんだ」

「はい・・・!」

「へいへい」

 シリルの鋭い視線に、マリアンとナタリオは震え上がったが、ビトはまったく何も感じていないようだ。

「ビト!」

「へーい」

 シリルはビトの態度が気に入らなかったが、諦めることにした。


 チーム・エリックの隊長であるエリックは、ケヴィン、ラウラ、ジャスパーの様子に頭を抱えていた。

 ケヴィンはあまり特訓に力を入れていないし、ラウラには協調性がない。そして、ジャスパーはやる気はあるのだが、頭がついていかないので失敗ばかり。

「お前らなぁ、中級戦闘魔術師昇格試験が迫ってるんだぞ?もうちょっと頑張ってくれよ」

「中級戦闘魔術師になれば、今までより強くなったって証になるでしょ?そしたら、女の子がきっと喜んでくれるから、もちろん頑張るよ、エリック隊長」

「何も心配いらないわ。ちゃんと実力は伴っているのだから、大丈夫でしょう?」

「頑張ってんだよ!でも、何でかできないんだよ、オレ一人じゃ!誰かが指示してくれればできるんだけど・・・」

 エリックの呆れた言い方に、三人はそれぞれ反論する。

「けどなぁ、三人一組で戦う試験と一人だけで戦う試験の両方があるんだよ。もちろん筆記も受からなきゃ意味ねぇが・・・そのどちらもうまくやらなきゃ受からねぇぞ」

「大丈夫ですよ、エリック隊長。国中の音たちが囁いています。今までの成果を出せば、きっと中級戦闘魔術師になれると」

 エリックの言葉に、穏やかな口調で口を挟んできた。

 彼女の名前はパメラ・スタンリー。紫色の巻き髪をしている、チーム・エリックの特別補佐官だ。

「パメラ補佐官、今日も素敵です」

「ありがとう、ケヴィンくん」

 このやりとりは日常の一コマとして、あたりまえにあることだ。

「補佐官もこう言っているし、大丈夫よ」

 パメラの言葉に同調し、エリックを丸め込もうとするラウラ。

 エリックは渋い顔をしていたが、何かを言う気力もなく、諦めていつもどおり、特訓を始めることにした。


 カキたちも、ブレットによる修行が毎日行われていた。

 仕事のない日はまだいいが、仕事のある日は合間を縫ってやるので、かなりのハードスケジュールとなる。どちらにせよ、ヘトヘトになって帰るのは間違いないが。

「いよいよ中級戦闘魔術師昇格試験が二週間後に差し迫っている。お前ら、気を抜かずにしっかりと修行に取り組むように」

 ブレットの言葉に、カキとシーラは元気よく返事をした。

 ニコラスは相変わらず返事をしないが、並々ならぬ闘志を燃やしている。

 試験を受けるからには、チームみんなで、必ず中級戦闘魔術師になる。

 カキはそう誓った。


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