第七十八話 様々な妖精たちとの出会い〈前編〉
「なぁ、どっちに進む?」
カキは、シーラ、マリアン、ビト、ナタリオ、ジャスパーに訊いた。
「とりあえず、まっすぐ進もう」
シーラの言葉により、六人は目の前の道を突き進んでいった。
「わぁ・・・!」
そこにいたのは、白色のキツネような姿をした妖精たちだった。
下級戦闘魔術師が貰える妖精はキツネのような姿をした妖精なので、ここにいるのも全部その姿をしている。そもそも、戦闘魔術師の位が上がらなければ妖精の姿は変わらないので、ここにいるのがキツネのような姿をしたものしかいないのはあたり前なのだが。
小さく愛らしい姿の妖精たちは、優雅に飛び回っていた。
「かわいい・・・!それに、何だか幻想的」
シーラは頬を紅潮させて言った。
たしかに、さっきまでただの森だったのに、ここはキラキラとした雪の結晶が降り積もり、まわりの景色とのコントラストが素敵だ。
「あ、みんな」
そんな幻想的な景色、白色の妖精たちの中からラウラが出てきた。
「ラウラ・・・って、もしかしてその妖精・・・!?」
「うん。私の妖精。フロウって言うんだって。氷の加護を持つ妖精、よ。だから、私の属性は氷、ね」
カキたちは驚愕した。
こんなにも早く妖精を見つけてしまうなんて。本当にラウラは計り知れない。
「な、何で自分のだってわかったんだ?」
カキがそう訊くと、しばらくの沈黙のあと
「なんとなく・・・?」
と、アドバイスにならない返事が返ってきた。
その後、ラウラとは別れ、カキたちはさらにさきへと進むことにした。
次に見つけたのは、白銀色の妖精たちだった。
「これ、雪の加護を持つ妖精だ。さっきの氷の加護を持つ妖精と似てるけど・・・母さんの妖精と同じだ」
カキはそう話した。
ここでも、カキたちは誰も自分の妖精を見つけられなかったので、さらにさきへと進むことにした。
そこにいたのは、緑色の妖精たちだった。
「これは、緑の加護を持つ妖精かな?」
シーラは首をかしげながら口にする。
「つーか、さっきから思ってたが、おんなじ色でおんなじ姿の妖精でも顔つきとか違うもんだな。妖精によっちゃ、柄があるようなのもいるし」
ビトは妖精たちを見渡しながらそう言った。
「そうだね・・・おんなじじゃ、やっぱり見分けられないからかな?」
ビトの言葉に、ナタリオはそう答える。
「顔が見分けられるとか今はどうでもいいよ。自分のだってわからなきゃ始まんねぇ・・・何となくって何だ」
カキは、全部の妖精たちに近づきながら、ため息混じりに言う。
「そうだね────・・・マリアン、どうかした?」
マリアンの様子に違和感を感じたシーラは、マリアンに声をかけた。
「あ、えっと・・・この子、私の妖精かも」
「えっ!?」
マリアンの言葉に、みんな驚きの声をあげる。
「ほ、本当?どうしてわかったの?」
シーラは、めずらしくマリアンに詰め寄った。
「え、えっと、何か、呼ばれた気がして・・・」
マリアンはおどおどした様子で答える。
「あなた、名前は・・・?」
『私は、リーフィー。緑の加護を持つ妖精よ。マリアン、あなたは私のご主人さまに間違いないわ。これからどうぞよろしく』
マリアンの問いかけに、おっとりとした声で妖精は答えた。
こうして、マリアンは一人、エベラルドのもとへと戻っていった。
「────・・・妖精にもわかるんだな。じゃ、妖精に訊いていけば、はやく済むんじゃね?」
「でも、全部の妖精がマリアンのみたいに素直に言ってくれるかわかんねぇだろ」
ジャスパーの言葉に、ビトは冷静に答える。
「とにかく、さきに進もうよ」
シーラの言葉により、五人はさらにさきへと進むことにした。




