第七十五話 今までの成果を〈中編〉
次にノーマのテストを受けることになったのは、ビト、ナタリオ、マリアンの三人だった。
このチームなら、ビトが司令塔となってまとまった試合をすることができるだろう。三人ともまじめで、言われたことをこなせるから。
「さて、じゃ、始めようか。スタート!」
ノーマは毎回、軽い感じで合図をする。
「試験となるとめんどくさいとも言ってられねぇからな」
「頑張ろうね、ビト。私も、頑張るから」
「・・・ったりめぇだろ」
「め、迷惑にならないように、僕も頑張るね」
「お前は自分が思ってるよりできてんだから、もっと自信持てよ」
「う、うん・・・!」
ビト、ナタリオ、マリアンの三人は、作戦を話し合った。
「────・・・んじゃ、まぁこんな感じで。あとは臨機応変に対応するのみだな」
手短に済ませて、ビトとナタリオはノーマに向かって駆け出した。
「“ソーン・キャップ”」
「“ソーン・ソイル”」
ビトとナタリオは、ノーマに一定距離をとって止まり、魔術を放った。
ビトはノーマを拘束しようと、ナタリオはノーマの逃げ道を減らすように魔術を発動する。
ノーマはビトの魔術をかわしつつ、ナタリオの魔術によって行動範囲を狭められないように、計算して動いている。
それでも、やはり行動範囲はどんどん狭まっていく。
「さすが、ビトくん。よく考えてるわね」
「まだ始まったばっかだよ」
ビトがそう言うと同時に、ノーマのそばを鋭利なものが飛んできた。
「“フェイル・カッター”」
マリアンの魔術だ。
「おっと・・・攻めるわね」
マリアンの魔術も加わって、ノーマの行動範囲はさらに狭まっていった。
「・・・っ!」
とうとう、ノーマはビトの魔術によって拘束されてしまった。
「ここからどうするの?この程度なら、抜け出すことは簡単よ」
「そんなことはわかってるよ・・・ナタリオ!」
「“アクア・フロー”」
ナタリオの魔術によって、ノーマの頭上から滝のように水が降ってきた。
「え・・・嘘っ」
予想外のことに、ノーマは思わず声を漏らす。
「“ドナ・スピア”」
そんなノーマに、さらにビトが魔術で攻めていった。
ノーマが拘束から抜け出す前に水が降ってきてしまったので、土がどろどろになり、動きが鈍って抜け出すのが困難になった。そこに、“ドナ・スピア”まで降ってくるものだから、ノーマはせめてシールドを発動したかったが、手を動かすこともできなかった。
「はぁ・・・ビトくんの作戦もそうだけど、それを実行できる三人の技術と協調性がすばらしいわね」
ノーマは泥から抜け出しながら、そう口にした。
さて、ビトたちのテストも終わり、授業の終わりも近づいてきた頃、カキたちのテストが始まることになった。
「じゃ、次はカキくん、シーラちゃん、ニコラスくんの三人よ」
カキはやっと名前を呼ばれ、やる気に満ちていた。
「はぁ?またお前とやるのかよ・・・」
「んだよ。しょうがないだろ。決めたのはノーマ先生なんだから」
「最後の年だっていうのに、お前とばっかで最悪だわ」
「はぁ!?」
「まぁまぁ、二人とも。チームになったんだから、受け入れて協力してノーマ先生に挑もうよ」
カキとニコラスの言い争いに見かねて、シーラが仲裁に入った。
こんな三人で、まともに戦えるのだろうか。




