↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術師たちのカナデアイ~交錯する想いと戦い~  作者: 衣月美優
第四部 卒業試験、下級戦闘魔術師へ
73/657

第七十二話 接近戦闘学、最後の授業


 今日は接近戦闘学の最後の授業、すなわち、テストが行われる日だ。

 接近戦闘学のテストは、班同士の戦いで成績をつけられる。勝ち負けではなく、技術や協調性などを見られるのだ。

「今日はテストだ。この科目は選択科目だから落としても卒業はできるが、ちゃんと今までの成果を出すように。間違いなく、この授業でやってきたことは役に立つ。みんな、最後までしっかり取り組むように」

 エベラルドの言葉に、みんなは大きな声で返事をした。

 誰もこの授業の単位を落とすつもりはない。戦闘魔術師に誰もがなりたいのだから、一番必要なこの授業を落とすつもりはない。

 このテストは、みんなの本気を試すものなのかもしれない。




 カキ、ビト、ナタリオ、それにニコラスは、自分たちのテストに備えて、体を動かしたり確認をしたりしていた。

 この四人の班に一番必要なのは協調性だ。それ以外は、何とかならないこともない。

「頑張ろうぜ!」

「う、うん。頑張ろう・・・!」

「やるからには勝つからな。足引っ張んなよ、カキ」

「勝つならちゃんと協力してくれよ、ニコラス?」

 とてもじゃないが仲が良いとは言えない四人だが、そんなことは関係ない。この授業では、ずっと同じ班だったのだ。最後までやりきるしかない。

「カキ、ビト、ナタリオ、ニコラス。テストを始めるぞ」

 エベラルドに呼ばれて、カキたちはテストに挑んだ。

 カキたちの相手は、力関係にバランスがとれた班だった。仲も良く、協調性もあると言える。

 たぶん、実力だけならカキたちの班が上回るだろうが、協調性の面から見れば相手の方が上だ。

 だから、カキたちの協力の仕方が勝利へのカギとなるだろう。協力がなければ、負ける可能性の方が大きい。

「それでは、始め!」

 エベラルドの合図によって、相手の班の二人が距離を詰めてきた。

 カキとニコラスも、その二人に向かって駆け出す。

「“ソーン・キャップ”」

 カキとニコラスのうしろからは、ビトが魔術を繰り出した。狙うは、距離を詰めてきた相手二人だ。

「“ドナ・スピア”」

 相手の班の残り二人のうちの一人は、ビトの発動した魔術を消すように、そしてカキとニコラスを攻撃するように魔術を発動した。

 カキとニコラスはすぐさまうしろに下がり、相手二人もうしろに下がる。

「“スコール・クラッシュ”」

「“フュー・リーン”」

 すかさず、ビトとナタリオが魔術を発動した。

 “スコール・クラッシュ”の風によって、“フュー・リーン”の炎が激しく燃える。カキたちと相手の班を分かつように。

 相手は、どうするべきか迷っているようで、何も仕掛けてこない。

「“アイス・リーン”」

 その隙を狙って、ニコラスは炎に覆い被さるような氷の道を作った。氷属性魔術だ。

 カキはその上を滑るように走り、相手の班の頭上から思いっきり落ちていった。

「“ドナ・ブリック”」

「“アクア・フロー”」

 カキの雷をさらに強力にするため、ニコラスは相手の足下に水を出した。

「うわぁぁあ・・・!」

 相手は全員、雷でビリビリとなり倒れた。

「そこまで!」

 エベラルドの言葉により、試合は終結した。

 カキたちの完全勝利だ。

「協力、できるじゃないか」

 エベラルドはぼそりと呟いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。