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魔術師たちのカナデアイ~交錯する想いと戦い~  作者: 衣月美優
第三部 戦闘魔術師への道
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第六十五話 迫り来る危機


 ドーン、と大きな地響きのような音がした瞬間、教師たちは慌てて外の様子を見に行った。

「ノーマさん」

「エベさん・・・!」

 エベラルドに声をかけられて、ノーマは振り返る。

「外、見てこられましたか?」

「いえ、まだ。生徒がまだ教室にいると思うので、とりあえずそっちに向かおうと」

 ノーマもエベラルドも冷静に対処法を考えている。

「では、ほかの先生方に状況を訊いてきます」

 ノーマはそう言って正門の方へ向かい、エベラルドは教室に向かって駆け出した。




 カキは、ビトの制止の声も聞かずに教室を飛び出していった。

 階段を駆け下りていると、エベラルドが階段を駆け上がってきた。

「エベ先生!」

「カキ!みんなはまだ教室にいるか?」

「うん、いる。誰も帰ったやつはいないよ。それより、さっきの音は何だったんだ?正門の方が砂ぼこりで全然見えないし」

「それはオレにもわからん。今、ほかの先生方が見に行っているから、お前も教室で待機してろ」

「でも・・・!」

「何もなければすぐに帰れる。ほら、教室に行くぞ」

 エベラルドに促されて、カキは渋々エベラルドと共に教室に戻ることにした。

 そこに、続々とカキのクラスメイトたちが慌てた様子でやって来た。

「あ、先生・・・!」

「外、見た!?何か、大変なことになってるよ!」

「どっか避難しなきゃヤバイんじゃね?」

 クラスメイトたちは、それぞれエベラルドに訴えかける。

「待て待て、落ち着け。一体、何があったんだ?」

「何か、ヤバそうな奴等が外にいるよ。たぶん、戦闘魔術師。先生たちが応戦してるけど、数も多いし結構強いみたいだ」

 ビトが冷静にエベラルドに状況を説明する。

「何!?」

「今は先生たちが頑張ってるけど、もし正門を突破されたら、いずれここにもやって来るよ。オレたちはどうしたらいい、先生?」

 ビトはずっと冷静なまま、エベラルドに訊く。

「避難だ!みんな、オレについて来い」

 エベラルドはすぐにそう答え、カキたちを誘導しようとした。

 が────・・・

「避難なんて、させないわよ」

「・・・!」

 妖艶な女の人の声が響き渡り、エベラルドは声の方にすぐさま振り向き、持っていた短剣を振りかざした。

 キン、と金属のぶつかる音がした。相手が長剣を手にしていたのだ。恐らくは、杖を武器に変えたものだ。

「あら、若い先生ね。ふふ、結構タイプよ」

「何が目的だ?何のためにここを襲う?」

 エベラルドは応戦しながら、相手に目的を問う。

「ふふ、そんなことは今はどうでもいいのよ。戦いを楽しみましょう?あなたも戦闘魔術師でしょう?」

「あいにく、戦っている暇はないんだ。大人しく捕まってくれ」

「やぁよ。こんなところで捕まってなんかあげないわ。私を楽しませてくれるなら、考えなくもないけど」

「・・・っ!」

 相手はかなり強い。中級魔術師のエベラルドでは、防戦で手一杯だ。

 それでなくても、派手な戦いはできない。生徒が近くにいるのだから。

「ふふ、先生っていうのは大変ね。生徒を守らなくてはならないものね」

「っ!そうだよ。絶対に、生徒を危険に晒すわけにはいかない!」

 だけど、もうエベラルドだけではここを守りきれそうにもなかった。

 どうやってここを乗りきるか、必死に考えを巡らせていた。

 そんなときだった。急に、相手が自分から離れたのは。

 自分から距離をとったわけではない。何か攻撃されてよろけたのだ。


「オレだって戦う!守られてるだけじゃ、強くなんかなれねぇから!」


 誰もがその光景に目を見開いた。

「────・・・カキ!?」


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