↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術師たちのカナデアイ~交錯する想いと戦い~  作者: 衣月美優
第三部 戦闘魔術師への道
60/657

第五十九話 武器魔術学でも


 武器魔術学では、自分だけの武器を使うことができる。どんな武器になるかはその人次第だ。

 だから、カキはすごく楽しみにしていた。

「うわっ!またお前いるのかよ」

「それはこっちのセリフだ・・・!」

 カキとニコラスは嫌そうな顔を全面に出した。

 二人は、全授業同じものを受けることになったのだ。正反対なのに、こうも息が合うとは驚きしかない。

 そして、例のごとくペアとなった。

「・・・もうお前とペアになったことはどうでもいい。だけど、絶対に足を引っ張るなよ」

「そりゃ、オレだってベストは尽くすつもりに決まってるだろ!」

「気持ちだけじゃどうにもならないんだよ!」

 当然のように言い争いも起こる。

 この二人はどこにいようが、何をしていようが、結局は言い争いに発展するのだ。誰も止められはしない。

 先生だって、もう呆れ果てて何も言わない。何を言っても聞かないことは、学校中に広まっているといっても過言ではない。

 武器魔術学の担当の先生は、ユリシーズ・ボイデルだった。過去に実践魔術学でお世話になった先生だ。

「静かにしろ、カキ、ニコラス。今から説明するぞ」

 相変わらず、厳しい顔つきでカキとニコラスを注意した。

「さっそくだが、それぞれ持っている杖を武器に変えてもらう。武器にするのは簡単だ。ただ念じて魔力を杖に流せばいい」

 ユリシーズは説明とともに、自分の杖を武器に変えて見せた。

 ユリシーズの武器は、上下両方に刃がついた槍状のものだった。

「武器は人それぞれ違う。自分に合ったものになるからな。じゃ、とりあえず変えてみろ」

 ユリシーズの言葉により、みんなが杖に魔力を流して武器に変えていった。

「うぉっ、すげー・・・」

 カキの武器は、赤いラインの入った大きな剣だった。

「・・・ってか、え!?何でお前、二つになってんの!?」

 カキは自分の武器に感動したのも束の間、ニコラスの武器に驚いた。

 ニコラスの武器は吸い込まれそうな青色の刃の剣だった。

 カキの剣に比べたら一般的な剣だったが、なぜか二つに分裂していたのだ。

「ほぅ・・・これは珍しい。武器が二つにできるのは、千人に一人と言われている。私も初めて見た」

 ユリシーズは感嘆の声を漏らす。

「はぁ?お前、何なの?」

「オレはオレだ。他の誰でもない」

「あー・・・はいはい。何か、前にもこんなやり取りを誰かとしたような・・・」

 カキはぼそりと呟く。

 それにしても、ニコラスは二刀流。武器が二つあることによって、さらにカキが不利になっている。

「・・・ぜってー、怒られる」

 カキは、ニコラスにとって満足に戦える相手ではないので、すでに不安の声を漏らした。

 こてんぱんにやられる様子が、容易に想像できた。今の時点で、勝てる気などない。

 だけど、ただ負け続けるつもりだってない。宣言したとおり、自分のベストは尽くすつもりだ。それは、ニコラスのためではなく、自分自身のために。

「カキ、武器に変えられただけで満足するなよ?」

「へ?」

 突然、ニコラスにそう言われたので、カキはすっとんきょうな声を出す。

「魔術を使わねぇと、これは武器としての役割を果たさねぇんだからな」

「・・・!そうだった!」

 ニコラスに言われるまで、すっかり忘れていた。

 カキは武器魔術学でうまくやっていけるのだろうか。それもニコラスと。

「やっべぇ・・・自信なくなってきた」

 でも、諦めるつもりはない。

 カキはカキなりに、学んでいくのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。