第五十五話 選択科目について
六年生になると、必修科目と選択科目を取る必要がある。
必修科目は、戦闘魔術師に必要な基本的に必要な知識や技術の基礎や応用。
選択科目は、それ以外の専門知識や戦闘魔術師として持っていると有利になったりするような知識や技術を習得することができる。
「なぁなぁ、選択科目って何にするか決めてるか?」
「私は、魔法薬学と医療魔術学を取るつもりだよ。医療戦闘魔術師になりたいからさ、そのための資格を取りたいんだよね」
「あ、わ、私もそのつもり・・・」
シーラとマリアンは、はっきりとした夢があるからしっかりと決まっているようだ。
「オレはなぁ、指揮戦略学と接近戦闘学だとよ。母さんが受けろってうるせぇんだよ」
ビトも、半ば強制的ではあるが、決まっているらしい。
「あー、なんかお前っぽいわ。接近戦闘学は、伸ばせってことかな」
「で、お前はどうなんだよ?ま、どうせ、まだ決めてないからオレたちに訊いてるんだろうけど」
ビトの言葉は図星なので、何も言い返すことができない。そもそも、カキとビトでは口喧嘩をしてもビトのほうが有利だ。
「いや、でも、何も決めてねぇわけじゃねぇよ?」
たじたじになりながらも、カキはそう言った。
「ただ、気になるやつがありすぎて、二つに絞れねぇんだよ」
「つまり、決めてねぇんじゃねぇか」
「う・・・ま、まぁ、そうなるかもしれねぇけど」
ビトには何を言っても敵わない。
まぁ、ほかの誰であっても、大抵カキは敵わないのだが。その中でも、ビトは特にだ。あと、ニコラスも・・・
つまりは、普通よりも頭が良いやつには敵わないというわけだ。
「お前は得意なものを伸ばしたほうがいいんじゃねぇか?体術とか。接近戦闘学でもいいだろ。体術となれば、接近戦しか無理だしな」
「あぁ、接近戦闘学はいいなって思ってたんだよ。けどさ、やっぱある程度魔術も伸ばしておきたいっていうかさ」
カキも、自分の得意な部分を伸ばすほうが合っているとは思ったが、やはり魔術ももっと何とかしたいという想いもあった。
「じゃ、武器魔術学にでもしたらどうだ?」
「武器魔術学?」
「ほら、魔術で使う杖があるだろ?あれは高度魔術の発動、飛行魔術で使う以外に武器に変えて使うこともできるんだ。刀、槍、弓矢とかそういうやつ。で、杖の武器だと魔術を使わなければ武器として使うことができねぇんだ」
ビトの説明に、カキは関心を持って聞いていた。
「へー。でも、魔術を使わないと武器として使えないってどういうことだ?」
「魔術にはいくつか属性があるだろ?たとえば、火属性の魔術で武器を刀とする。そしたら、刀が炎を纏って燃やし尽くすような武器になる」
「でもさ、刀だったらそれっぽい魔術が普通にあるよな?」
「あぁ、“ファイアー・ダッギュ”とかか?確かにあるけど、それよりも武器でやったほうがより効果的なんだよ。特に、自分の属性だとな」
「自分の属性って?」
「卒業するときに妖精が貰えるだろ?あれって、自分に相応しい属性の妖精が貰えるんだ。だから、妖精が貰えれば自分の属性がわかるよ」
驚くほどビトからたくさんの情報を聞くことができて、カキとしては勉強になった。
ビトの言うとおり、武器を使う授業にしようとカキは決めた。
「ちなみに、武器魔術学の中で自分の武器が決められるからな。武器使いたいやつは大体その授業受けるぞ」
「へー、じゃ、それにしようかな」
自分の武器とかかっこ良さそうだし、とそんな単純な考えでカキは武器魔術学を受けることに決めた。




