第三十二話 ラウラの招き
「カキ、今度の日曜日にうちに来てくれない?」
ラウラが休み時間にカキの席に来て言った。
「え、別にいいけど。何で?」
カキが訊くと、ラウラは相変わらず淡々とした口調で
「お義父さまが話したいことがあるって。お義父さまが帰ってくるのは夜になるから、それまで他のみんなも誘おうと思ってるんだけど」
と言った。
そして、シーラたちにも声をかけ始めた。
「シーラ、マリアン、よかったら今度の日曜日にうちに来ない?」
「ラウラの家?私は全然大丈夫だよー」
「わ、私も大丈夫」
シーラとマリアンは快く承諾した。
「ビト、よかったら今度の日曜日にうちに来ない?」
「まぁ、別にいいけど」
ビトもめんどくさそうな顔をしながらも承諾した。
「なになに?ラウラちゃんの家に行くの?僕も行ってもいい?」
そこに、女子の話には敏感なケヴィンもやって来た。
「別にいいよ。人数多いほうが楽しいんじゃない?」
何だか他人事みたいな言い方ではあるが、ラウラはそう言ってケヴィンも来ることとなった。
さらに、ラウラはジャスパーとナタリオも誘った。
「んじゃ、行かせてもらおうかな」
「ぼ、僕なんかが行ってもいいなら・・・」
ジャスパーとナタリオも承諾した。
最後に、ニコラスも誘ったのだが。
「悪いが、オレは遠慮する」
と、一蹴されてしまった。
「ノリ悪いな」
カキはそう言ったが、ニコラスは無視した。
「ねぇねぇ、僕も誰か誘ってもいい?もちろん女子!」
「やめとけ。お前が呼んだら収拾がつかなくなる」
ケヴィンの言葉に、ビトは冷静に返した。
日曜日、カキたちは揃ってラウラの家へと行った。
「いらっしゃい、みんな。どうぞ、入って」
相変わらずの感情のない声でラウラはカキたちを招き入れた。
「おじゃましまーす」
それとは対照的にカキたちが明るく言って入る。
「わぁー、やっぱり、国王さまの家だけあって広ーい」
シーラは家の中を見回しながら言う。
「ベルトランのじいちゃんの家、久々に来たな」
カキはそう呟く。
「けど、お前と国王さまってそんなに近しい親戚じゃねぇだろ?だったらそんなもんなんじゃね」
カキの言葉にビトが反応する。
「んー、まぁそうだけど」
カキにとってベルトランは本当の祖父のように距離の近い人物だから、曖昧な答えになる。
でも、ベルトランが国王であるということである程度の距離はあるだろう。ベルトランは家族や国民を大事にする人だから、それでもカキとの距離は十分に近いのだが。
「それより、これから何するんだ?」
ジャスパーがみんなに訊ねた。
「僕は王様ゲームやりたーい」
「却下。お前はイカサマしそう」
ケヴィンの提案にすぐさまビトが反応する。
相変わらず、ケヴィンとビトは相性が悪いようだ。
「じゃあ、かくれんぼは?結構この家広いし、ちょっとやってみたくねぇ?」
カキはそう提案した。
「広い家でのかくれんぼっておもしろそうだよねー」
シーラは乗り気のようだった。
「じゃあ、ちょっと魔術なんかも使ってやってみるか?そのほうがやりがいがありそう」
ビトはそう言ってきた。
「げ!魔術?ビト、俺が苦手なの知っててわざと言ってんのか?」
カキが嫌そうな顔をしながらビトに言ったが、ビトはそれをスルーしてみんなに賛成か反対かを訊いていた。
結局、みんなが賛成したので魔術を使ったかくれんぼがはじまった。




