第二十三話 次に向けて
「ただいまぁ」
「おかえり。お疲れみたいね」
カキが家に帰ると、カタリナが優しく迎えてくれた。ジョシュアは任務でいないようだ。
「一週間、実技合宿はしんどいわ」
カキはそう言って、家にあがった。
リビングに行くと、カタリナがすぐにお茶を用意してくれた。
「なんか、すごい久しぶりな気がする。ほんの一週間だけ家を離れてただけなのに」
カキはお茶を飲みながらそう言った。
「合宿はどうだった?魔術は上達した?」
カタリナが訊いてきた。
「んー、合宿自体はよかったよ。ただ、上達したかはよくわからない。でも、思ってたよりは楽しめたかな」
カキはそう答えた。
「そう。よかったわね。きっと、カキが思っているよりは魔術は上達しているはずよ。これからも頑張ってね」
カタリナは優しくそう言った。
カタリナの言葉にカキは大きく頷いた。
短い冬休みのうちの一週間を実技合宿に費やしていたカキたちにとって、本当にあっという間な冬休みが終わった。
カキが学校へ行くと、そこには休み前のいつもの光景があった。
「あ、おはよー、カキ。」
シーラがカキを見つけて声をかけた。
「おはよう、カキくん」
すぐそばにいたマリアンも、すぐにそう言った。
「おはよう。シーラ、マリアン」
カキもすぐにそう答えた。
少しするとビトもやって来て、いつものメンバーで話をした。
「実技合宿のトーナメントバトルはすごくよかったよね。カキのとことビトのとこの試合が一番盛り上がってたし」
シーラは実技合宿のことを持ち出した。
「本当。なんか、頭脳戦って感じもして、見てるこっちも楽しかったよ」
マリアンもそう言う。
「けど、なんか知らねぇけどあれが盛り上がりすぎたせいで、決勝戦が盛り上がりに欠けたよなぁ」
ビトはカキに目をやりながら言う。
「なんだよ。べつにオレのせいじゃないだろ?むしろ、あの試合の盛り上がりが異常なんだよ」
カキはビトにそう答えた。
「まぁ、でもさぁ、これからもっと難しいこともやらなくちゃいけないんだよねー」
シーラの言葉に、もうすぐ四年生になるんだと感じだ。戦闘コースの生徒になるんだと。
「どんなこと、するんだろうね?でも、戦闘コースが一番難しくて大変だよね」
マリアンがおずおずと言った。
戦闘コースが一番難しくて大変だというのは、実際にそのコースの人を見ていればわかるし、そうでなくても安易に想像できる。
戦闘コースは戦闘魔術師になるためのコース。危険な仕事に就くのだから、難しくて大変なのは当たり前だ。
「まぁ、それでもそのコースを選んだのは自分だからな。頑張るしかないだろ」
ビトはたぶんいつものように、めんどくさい、と思いながらもそう言っていた。
「オレはどんなことでもやってやる!戦闘魔術師になるのはオレの夢だからな」
カキは目を輝かせながら言った。
「でも、みんなと同じコースでなんだかホッとしてる。これからもよろしくね」
シーラは笑顔でそう言った。
「ちょっと気がはやいよ、シーラちゃん。いくら三学期があっという間だからって、まだ四年生になってもないのに・・・」
マリアンはシーラの言葉に、ちょっと困ったような笑みを浮かべて言った。
シーラは、そうだね、と笑っていた。
「ま、戦闘コースは一クラスだけだしな。嫌でもこれから三年間は一緒だ」
ビトはそう口にした。
「これからも仲良くやろうぜ。そんでもって、思いっきり楽しみながら頑張る!」
カキはワクワクした様子で言った。
ここからが頑張り時。戦闘魔術師になるためにも、ニコラスを越すためにも。
四年生、戦闘コースの生徒になるまで、約三ヶ月。




