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亡霊のアルゴリズム(冷徹なる処刑装置)  作者: 風風風


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【第2部】「自律分散型スマート集落」  第3章:同一の設計思想を持つ謎の影(4) 現地摘発の鉄槌

日本国内の実行役へ送っていた

「脅迫用音声データ」までを、

警視庁のサーバーへと

リアルタイムで送信し続けていた。

「案件屋」という情報の蛇口を

閉められただけではない。

その蛇口の管を通って、

警察の捜査網という『劇薬』が

彼らの本拠地へと

逆流していたのだった。

「おしまいだ……

俺たちの『命綱』だった名簿が、

全部毒に変わりやがった……!」

頭を抱えてがたがた震える竹内の耳に、

建物の外から近づいてくる

複数のサイレン音が聞こえ始めていた。

スコールが叩きつけるシアヌークビルの夜。

重厚なエンジン音とともに、

大型の装甲車両と何台もの警察車両が、

トクリュウの拠点を包囲した。


「カンボジア国家警察だ! 全員動くな!」


警察庁から現地へ派術されていた

国際捜査官の立ち会いのもと、

現地特殊部隊が一斉に施設内へ突入する。

ドアが爆破音とともに吹き飛び、

特殊部隊の銃口が無数に突入してきた。


「ひっ……!」

デスクを叩き壊していた竹内(龍)は、

腰を抜かして床にへたり込んだ。

打ち子の男たちも悲鳴を上げ、

次々と床にひれ伏していく。


「竹内達也だな。

日本の警察庁からの国際手配に基づき、

拘束する」


現地警察官の後ろから歩み出た

日本の国際捜査官が、

冷ややかに告げた。

部屋の中には、破壊しきれなかった

数十台のスマートフォンと、

警視庁サイバー班によって通信を遮断された

サーバー類が転がっている。


竹内たちが

「海外にいれば安全だ」

「名簿さえ買えば日本国内の若者を

遠隔操作して無限に稼げる」と

高をくくっていた不滅の要塞は、

案件屋・神崎の逮捕から

わずか数日で呆気なく陥落した。


「なぜだ……なんでここが分かった……!

暗号化アプリを使っていたはずだぞ!」


連行される間際、

竹内は狂ったように叫んだ。


「お前たちが頼みにしていた案件屋が、

日本の若者たちを脅して集めさせた

『極上名簿』だよ」

捜査官は竹内を見下ろし、淡々と言い放った。

「お前たちが買い叩いていた

その情報の足跡ログが、

そのままお前たちの

首を絞める縄になったんだ。

情報網を断たれたお前らは、

ただの裸の王様だったんだよ」


同じ頃、

東京・警視庁のサイバー犯罪対策課。

モニターに

「現地拠点の全員拘束・端末押収完了」の

連絡が入ると、室内は一瞬静まり返り、

次いで小さな歓声が上がった。


松永警部補は大きく息を吐き出し、

胸のポケットから

タバコを取り出そうとして、

禁煙だったことを思い出し苦笑した。


「志村、よくやったな」

「いえ、松永さん。

案件屋の生きたサーバーを

押さえられたのが大きかったです。

情報の元栓を閉めれば、

海外の指示役もただのハッタリ野郎に

過ぎないってことが証明できました」


志村が晴れやかな顔で答える。


「ああ。だが、まだ終わりじゃない」

松永の顔が再び引き締まる。

「拘束された竹内たちから

押収したデータを使って、

国内に潜んでいる『受け子』や

『叩き(強盗)の実行役』、

そして

奴らに口座や道具を売っていた連中を、

一網打尽にするぞ」


案件屋という

巨大な情報源を破砕した警察の鉄槌は、

トクリュウという犯罪システムの

全細胞を破壊するため、

最後の総仕上げへと動き出していた。


©2026 [風風風]. All rights reserved.

シアヌークビルの拠点で押収された

竹内らのスマートフォンから、

日本国内で待機していた

「実行役」たちのデータが

次々と浮き彫りになっていった。

「神崎のデータベース」と

「竹内のチャットログ」が

線で結ばれたことで、

警視庁は全国の警察本部と連携し、

大規模な一斉検挙作戦

「オペレーション・ブレイカー」を

敢行した。

世田谷、目黒、埼玉県内――。

案件屋・神崎が抽出し、

海外の竹内へ売却され、

強盗の標的となるはずだった

住宅の周辺では、……。


明日も 19:20 に、投稿します。

よろしくお願いいたします。

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