表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
亡霊のアルゴリズム(冷徹なる処刑装置)  作者: 風風風


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/44

【第2部】「自律分散型スマート集落」  第3章:同一の設計思想を持つ謎の影(5) 波紋の広がり

奴らに口座や道具を売っていた連中を、

一網打尽にするぞ」

案件屋という

巨大な情報源を破砕した警察の鉄槌は、

トクリュウという犯罪システムの

全細胞を破壊するため、

最後の総仕上げへと動き出していた。

シアヌークビルの拠点で押収された

竹内らのスマートフォンから、

日本国内で待機していた「実行役」たちの

データが次々と浮き彫りになっていった。


「神崎のデータベース」と

「竹内のチャットログ」が

線で結ばれたことで、

警視庁は全国の警察本部と連携し、

大規模な一斉検挙作戦

「オペレーション・ブレイカー」を

敢行した。


世田谷、目黒、埼玉県内――。

案件屋・神崎が抽出し、

海外の竹内へ売却され、

強盗の標的となるはずだった

住宅の周辺では、警察の捜査員が

極密裏に張り込みを続けていた。


「ターゲットの民家前に、

レンタカーが一台停車。

乗車している男三名、

覆面とバールを所持しています!」

「確保! 突入前に押さえろ!」


指示役からの連絡が途絶え、

自暴自棄になって

強盗を強行しようとした末端の若者たちが、

現場で次々と取り押さえられていく。

さらに、

指示役に口座を売っていた「口座屋」や、

暗号化スマホを手配していた「道具屋」

までもが芋づる式に摘発されていった。


強盗事件は未遂のまま阻止され、

狙撃手のように闇から

高齢者を狙っていたトクリュウの計画は、

未然に完全に潰されたのだ。


警視庁の取調室。

松永警部補は、パイプ椅子に腰掛けた

片桐蓮と向き合っていた。


「片桐。お前が勇気を出して証言し、

情報を提供してくれたおかげで、

お前が写真を撮らされた

世田谷のお宅をはじめ、

全国で数十件の強盗被害を

未然に防ぐことができた」


松永の言葉に、

蓮は驚いたように顔を上げた。


「俺の……俺の言ったことが、

役に立ったんですか……?」


「ああ。お前が犯した

『強盗予備・住宅侵入』の罪が

消えるわけじゃない。

これから検察に送致され、

法の裁きを受けることになる。

だが、

お前がギリギリのところで踏みとどまり、

警察に協力した事実は、

判決でもしっかりと考慮されるはずだ」


松永は温かい眼差しで蓮を見つめた。


「前科はつく。

大学も辞めることになるかもしれない。

だが、命までは取られなかった。

家族も無事だ。

ここからやり直すんだぞ、片桐」


「はい……!

 ありがとうございます……っ」


蓮は机に額を擦り付けるようにして、

声を出して泣いた。

恐怖で支配されていた闇の底から、

ようやく自分の足で光のある場所へと

戻ってこられたのだと、

涙とともに実感していた。


トクリュウという巨大な悪のシステム。

その心臓部であった

「案件屋」と「海外指示役」は潰れた。

しかし、松永の表情に油断はなかった。

この事件の背後にある「情報の闇」を

完全に清算するための最終章へ向け、

警察の捜査は

最後のステップへと進むのだった。


©2026 [風風風]. All rights reserved.

2029年冬のカタリストです。

過激化するサイバー警察の監視網を

あざ笑うかのように、

カタリストの潜伏部屋は静まり返っている。

壁一面に配置されたモニターには、

世界中の暗号通貨市場の変動、

主要都市の電力インフラの稼働状況、

そして

闇サイトに流れる最新のデータ取引ログが、……。


明日も 19:20 に、投稿します。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ