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亡霊のアルゴリズム(冷徹なる処刑装置)  作者: 風風風


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【第2部】「自律分散型スマート集落」  第2章:初期プロトタイプが稼働(2) 踏み込まれた要塞

神崎には、強盗予備の教唆、不正アクセス禁止法違反容疑の逮捕状が出ている。

六本木の高級タワーマンションの最上階に近い一室に、捜査員たちが一斉に雪崩れ込む。

革張りソファでワインを飲んでいた神崎は、捜査員に腕を捻り上げられ、冷たいフローリングに顔を押し付けられることに。


神崎達也かんざき たつやだな。強盗予備の教唆、および不正アクセス禁止法違反の容疑で逮捕状が出ている」

「警視庁だ! 動くな!」


六本木の高級タワーマンション、最上階に近い一室。重厚な玄関ドアが強制解除され、捜査員たちが一斉に雪崩れ込んだ。


「な、なんだお前たち! 暴居侵入だぞ!」

リビングの革張りソファでワインを飲んでいた神崎は、グラスを床に叩き落として立ち上がった。だが、言葉を最後まで言い切る前に、二人の屈強な捜査員に腕を捻り上げられ、冷たいフローリングに顔を押し付けられた。


神崎達也かんざき たつやだな。強盗予備の教唆、および不正アクセス禁止法違反の容疑で逮捕状が出ている」

静かな、しかし威厳に満ちた声とともに、松永警部補が足を踏み入れてきた。


「ハッ……何のことだかさっぱり分からんな。俺はただのデータ分析会社の経営者だ。弁護士を呼べ!」

神崎は余裕を装い、冷笑を浮かべた。自作のデータベースは高度な暗号化が施されており、端末の電源を落とせば三十分でデータが自動消去される仕組みになっている。警察に中身を覗けるはずがないという絶対の自信があった。


「弁護士なら署で呼べばいい。志村、PCを押さえろ!」


松永の指示を受け、志村刑事がデスク上の大型モニターへ駆け寄る。神崎は心の中で嘲笑した。(遅い。電源プラグを抜けば暗号化キーが破棄される)


しかし、志村が取り出したのは特殊なメモリ保護デバイスだった。PCの電源を落とすことなく、起動中のRAM(一次記憶装置)からリアルタイムで暗号化複合キーとメモリイメージを直接抽出する、警察庁サイバー特別捜査隊の最新機器だ。


「……端末のホールドオフに成功。データベース、生きた状態で全データ抽出開始します!」


志村の言葉に、神崎の顔から一瞬で血の気が引いた。


「バカな……暗号化されているはずだ! なぜログインセッションが生きてる!?」


「お前ら案件屋がどんな暗号を使おうが、2025年以降のデジタル鑑識技術をナメてもらっちゃ困るな」

松永は神崎の眼前で警察手帳を突きつけた。

「画面上に残ったアクセスログ、指示役との暗号化チャット、そしてお前が全国の『調査員』たちを脅迫して集めさせた何千人もの高齢者名簿……すべて生きた証拠として押収させてもらう」


神崎の完璧だったはずの「情報の要塞」が、警察の緻密なサイバー捜査によって、内部から呆気なく崩壊した瞬間だった。だが、松永の目は神崎の逮捕だけでは満足していなかった。画面の向こうでうごめく、この名簿を買っていた「真の首謀者たち」を炙り出すための本当の戦いが、ここから始まるのだ。


©2026 [風風風]. All rights reserved.

画面の向こうでうごめく、名簿を買っていた「真の首謀者たち」を炙り出すための本当の戦いが、ここから始まる。

押収された神崎のパソコンとサーバー群は、警視庁のデジタル鑑識室へと運び込まれ、サイバー班の技術官たちが解析を進める。

神崎のサーバーから抽出されたのは、単なる名簿ではなかった。全国各地の高齢者世帯約十万件の『暗号化データベース』だった。資産状況、防犯対策の有無、家族の同居状況、過去に詐欺に遭ったかどうかの履歴まで、すべて『価値変換スコア』として分類されていた。


明日も 19:20 に投稿します。

よろしくお願いいたします。

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