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12/15

-- 12 -- やまねこ隊Ch.配信

今回はちょっと長いです。あと内容を配信風にしてみました。

-- 白井 咲良 --


「こんばんはー、やまねこ隊Ch.のサクラです。今日も見に来てくれてありがとー」

「こんばんは」

「いつも通りタツアキと2人で実況していくよー」


私は配信に来てくれた視聴者の人たちへ挨拶をする。

となりにいるタツアキもいつものように気の抜けた挨拶をする。


今私たちは動画投稿プラットフォームであるワクワク動画で生配信をしている。

私たちは普段探索者として活動している傍ら、こうして趣味で配信をしてダンジョンの情報を伝えたりしているのだ。

本当はダンジョン探索をリアルタイム配信出来ればいいのだが、さすがにダンジョン内に通信環境はないため、こうして録画済みの自身の探索動画を流しつつ解説を入れたりするのが、私たちの配信のやり方だった。


ちなみに探索チームは本来4人だが、ケンスケとカナエはこういう動画配信は苦手だったりやりたくないということで、私たち2人がやっている。

とはいえメインで話すのは私で、タツアキは補助に徹している感じだ。


--

お-

楽しみにしてたぞ

こんばんわー

こんばんは

--


「こんばんはー。今日はすごい動画持ってきたから楽しみにしててねー」


「間違いないな」


ちなみに私達のチーム名は「やまねこ隊」であり、それをチャンネル名にしている。

この名前はあくまで動画配信のためにテキトーに決めた名前であり、普段の探索でこの名前を使っているわけではない。

テキトーに決めたとはいえ一応名前の由来はあるし愛着もある。とはいえそれは今は特に関係無いだろう。


--

なになに?

きになる

どうせいつものフリだけでしょ?

いつものやつ

--


若干スレている視聴者さんもいるが、まぁいつも同じようなフリをしてたいしたこと無かったなんてやりとりをしているので平常運転だったりする。

しかし今回は本当にすごい。

それを視聴者さんも後で思い知ることになるだろう。


「ふふふ、そう言ってるがいいさ。今回はとっておきを持ってきたのだ。後で吠え面かくなよ?」


--

期待してもええんか?

どうせある意味ではとかそんな感じでしょ?

もうだまされんぞ?

普通に助かる情報配信してくれるからよし

--


「それでは始めていこー。それじゃ動画スタートするね」


そう言って私は先日撮ったダンジョン探索の動画をスタートした。



--

進むの遅すぎん?

これぐらいが普通だぞ

この階層で焦るとまじで危険ですからね

このダンジョン虫系のモンスターおおいからなぁ

--


私たちがダンジョンを探索している動画を見ていろいろとコメントしてくれる視聴者さん達。

他のダンジョンではもうちょっと探索が楽だったりするみたいだけど、とりあえずいまのところは三和市のダンジョンで活動を続けるつもりだ。


「ここのモンスターは、岩に隠れて襲ってくるから慎重にいかないと駄目なんだよ」


「それで前に死にかけたことあるしな」


--

あれな

あれは焦ったわ

まぁ動画見てる時点で助かってたのは分かってたけど

なるほどです

--


実際死にかけたは少し言い過ぎな部分もあるが、かなり危なかったのは事実だ。

以前この階層で索敵に失敗してたくさんのモンスターに襲われたことがあったのだ。

なんとか逃げ切ることはできたけど、あのときは動画を撮る余裕もなくて本当に必死だった。

まぁ笑い話と良い経験になったから良かったけど、もう二度とああいうのはごめんだ。


動画の中でカナエが皆に向けて合図を送ると同時に、岩の影から蜘蛛の形をしたモンスターが現れた。

モンスターの存在を予期していた私たち4人は、即座に武器を構えて迎撃する。

まずはカナエが手に持った弓でモンスターを狙い撃つ。

矢が頭に命中して怯んだところをタツアキが剣を振り下ろし仕留めきった。

残念ながらアイテムのドロップはなしだ。


--

おお

鮮やかだな

参考になります

何でいるの分かったの?

--


モンスターが潜んでいることを不思議に感じた視聴者さんが、モンスターを索敵するコツなんかを聞いてくる。


「魔力探知スキルを使ってるんだよ。あとは影の動きとか、なんとなく雰囲気で感じるときもあるとかなんとか」


「スキルのおかげでもあるが、スキルなしでも俺たちが全然気づけないモンスターに気づいたりするからな」


「そうそう。ほんと助かってるよ。みんな、ほんとに索敵は大事だから軽視したらだめだよ」


--

魔力探知?

あれってゴミスキルじゃなかったっけ?

ああ、魔力探知スキルね。でもあれ使い勝手よくなかったはずだけど・・・

魔力探知と魔力感知スキルは別スキル

--


魔力探知スキルは一般に使えないと知られている「魔力感知」スキルとは別で、自分の意思で発動するアクティブスキルだ。

とはいえこのスキルも実は一般的にはゴミスキルという認識である。

スキルの説明としては「周囲の魔力を探知する」ということらしいが、一般的にはそこまで便利なものではないという認識だ。

アクティブスキルとはいえ使用時のDPの消費が非常に激しい割りには、あまり正確な探知ができないからだ。


しかしなぜかカナエにはそれなりに有用に使えていた。

たしかにDPの消費は激しいが十分実用に耐える程度の探知はできている。

もしかしたらカナエに適正があるスキルなのではないかと私達は思っていた。


「そうそう。魔力感知とは別スキルね。探知の方も一般的にはそこまで有用じゃないらしいんだけど、カナエはなんか使いこなしてるんだよね」


「スキルは効果一定のはずなんだけどな。感覚系のスキルは使用者によって効果が違うのかもしれない」


「とはいえ7階層くらいで探索してないとDPが割に合わないかもね」


--

なにそれ初耳なんだけど

試したいが、試したくてもオーブが無い

使うほどの階層に潜ってないので・・・

俺たちには関係ない話だったな

--


見てくれている人の中には、同業者の人たちもいたりして、結構私たちも参考になることも結構ある。

一応は自分たちは結構上位の探索者じゃないかと自負してるけど、それでもまだまだ未熟な点はたくさんあるのだ。


そうこうしているうちに、今回一番の見所が近づいてきたようだ。

思い出しただけで鳥肌が立つ。みんながどんな反応をするのか楽しみだ。


「ここからが今日一番の見所だよ」


--

なんだろう

レアアイテムドロップとかですか?

イレギュラーがでた?

レアドロップとかかな

--


動画の中では私たちがモンスターハウスへ向かっている。

カナエが大量のモンスターを探知して確認のために慎重にそちらへ向かっているところだ。


いろいろとコメントが画面に流れるのを横目に、いったん私も話すの止め、何度も見返したシーンへと移っていく動画に集中する。

隣で見ているタツアキも同様に動画に集中しているようだ。


--

なんかガチっぽいぞ

いつもと雰囲気が違う

けっこう危ない感じ?

・・・・・・

--


私たちは慎重にダンジョンの部屋と部屋をつなぐ通路を進んでいき、そして一つの部屋に到達する。

その中には--


--

うわっ

やべええええええ

この量は初めて見たわ

これは逃げんとやばいやつや

モンスターハウスですねぇ・・・

--


当然私達の見たモンスターハウスが映っている。

改めて見てもすごい量のモンスターだ。遠目から見ても十分に密集してモンスターが存在している。

幸か不幸かこの部屋は比較的見通しが良く、奥にいるモンスターがよく見えた。

動画の中の私達も息を殺してモンスターの動向を確認しているのが見て取れる。


--

おいおい、100体はいるんじゃないか?

数百はいるぞこれ

300くらいか?

この規模のモンスターハウスは初めて見たかも

--


「うん、見た瞬間やばいと思ったね。一応報告のために状況確認だけはしたけど、さすがに逃げ出したかったよ」


「下手したら一瞬でお陀仏だからな。このときはさすがにめっちゃ焦ったわ」


--

さすがは高ランク探索者、覚悟が違う

おれなら尻尾巻いて逃げ出してるね

でもここ三和市のダンジョンだろ?そんな情報回ってきてたか?

このレベルなら即封鎖だろ?管理局はなにやってんだ

--


「まだ続きがあるんだよ」


このとき私たちはモンスターハウスの確認を終え、報告のためになるべく急いでダンジョンを抜け出そうとしていた。

基本的にモンスターは出現した階層からはあまり移動しないのだが、今回の様にモンスターが1階層に大量に発生した場合は、放置すると別の階層に移動する可能性も高い。

ダンジョンからモンスターが溢れるスタンピードの軽いバージョンだ。

そのような場合は予期せず他の探索者が大量のモンスターに襲われることになりかねないので非常に危険なのだ。

管理局に連絡すると、駆除部隊が編成されることになる。場合によってはダンジョンが封鎖されることもある。


私たちは来た道を急いで戻っており、その途中で彼らに会うことになる。


「ここはごめんね。他の探索者さんに会ったからちょっとカットしてるんだ」


動画は場面が飛び、今は私達が彼らを追いかけるかどうかで話をしている場面だ。


「ここからは音声をちょっとカットしてるぞ」


あまり動画で流す内容でもないので、ここからは音声はカットしている。

動画はいろいろとカットしてたり、そもそも撮影していない部分もあったりするのだが、これ以降も運良く撮影できていた。

とはいえ撮影するつもりがなかった部分だからあまり綺麗には取れていないのだけど。


--

なんで立ち止まってるんだ?

もしかしてなんか揉めてる感じ?

なんか戻りだした?

何があったんだ?

--


動画の中の私達は急いで彼らを追いかけている場面だ。

視聴者さん達にはなぜか急いでモンスターハウスに戻っている感じに見えるかもしれない。


--

なんかさっきの探索者となにかあった感じ?

モンスターハウスのこと言い忘れたりした?

さっきのやつらが付いて来てないとか?

--


「まぁそんな感じではあるんだけど、どちらかというと私達のほうが悪かったんだよね」


「ちゃんとモンスターハウスのことは伝えたぞ?でもまぁ仕方なかったとは言える」


--

つまりはどういうこと?

???

一体どういう状況なんだ?

--


視聴者さん達は状況をよくわかっていないようだ。

私達がきちんと説明していないからではあるのだが、せっかくの驚きポイントを律儀に説明するのはもったいない。


「ちなみに今はいろいろあってモンスターハウスの方に戻ってます」


--

え、正気か?

つか戻って大丈夫なのか?いや実際大丈夫だったんだろうけど

こりゃ死んだな(死んでない)

--


動画の中の私達はさらにスピードを上げて彼らを追っていた。

私とタツアキは静かに動画に集中する。


「まぁ見てればわかるよ」


そう言ってすぐ、動画のなかの私達はモンスターハウスまで戻ってきていた。

稼働していたカメラがその部屋の中を捉える。

その中には--


--

えええええええええ!

いやないわーこれはないわ

完全に無双じゃん!

ここほんとに7階層?

ってか2人しかいないじゃん

2人でモンスターハウスに突入とかやばすぎる

おいおい、全部一撃かよ

モンスター吹っ飛んでんじゃん!

後ろに目ついてんのかよ!

いや何人でもやばいぞ。モンスターハウスとか基本軍で駆除するやつだからな?

--


「ちなみにこの人達にはちゃんと配信で動画を流すことは許可もらってるからな?」


動画には文字通りモンスターをばったばったとなぎ倒す2人の探索者が映っていた。

2人は部屋の奥の方でモンスターと戦っている。戦っているというよりは処理していると言ったほうがよいような戦いぶりだ。

要望通り念のため顔にはぼかし処理を入れているが、奥の方にいるため拡大しないとそれも分からないだろう。


「いやー、まったく驚いたよね!ほんと助けるつもりで行ったらこれだもん。焦って損しちゃったよ」


「俺たちも結構やれる探索者だと自負してたけど、ひどいレベルの違いを見せつけられたわ」


--

いやいや、君ら結構上のほうの探索者じゃん

トップレベルの探索者にレベルの違いを見せつけるのやばすぎw

2人組っぽい。誰だろう?

誰かわからないですね。2人組で有名な人ってだれだろう?

トップの探索者でも多分無理だぞこれ・・・

あれだけいたモンスターもうほとんどいない・・・

ほんと誰だろう?自衛隊とかの隊員とか?

自衛隊がすでに駆除班を用意していた?(ただし2人)

殲滅速度高すぎぃ

ドロップアイテム拾いながら戦ってるぞ・・・

--


画面の中の2人は既に終戦ムードが漂っている。

あらかたのモンスターを倒して、ドロップアイテムを探しながら残りのモンスターに対応している。

これだけモンスターを倒せば、ドロップ率が低いとはいえ何個かアイテムがドロップしているようだ。


「ね?すごかったでしょ?いや、ほんとやばかったんだよ」


--

それはそう

すごいなんてもんじゃないぞ

いつもの、やばかった(ドロップゼロ)とかじゃなかったね

でもキミらなにもしてないじゃん

見てただけですね

見てただけやね

それはそう

--


「いや・・・、だってそれは仕方ないじゃん?あんな中に飛び込んだって邪魔になるだけだよ?つまりは見てたのが正解なんです。っとこれで今日の動画は終了だね」


そう言って動画の再生を止める。

本当は帰りの動画とかも撮ってはいるんだけど、この後にだらだら帰るのを流してもしかたないよねということで今日はここまでにした。


--

ええっ!この後この2人との絡みとかは!?

いろいろ聞きたいことあるのに・・・

結局誰だったの?

めちゃくちゃ気になるんだけど

ここは基本、他の探索者は映さない方針だからなぁ・・・

--


「まぁこの人達もあまり身バレしたくなさそうだったし、そこらへんの情報はなしかな」


後で聞くと、2人はソウタくんとアヤネちゃんと言う名前らしかった。

年齢も17と15で兄妹だそうだ。

あまりにも若い年齢に私たちは当然驚いた。まぁ見た目通りの年齢ではあったのだが、あれを見た後だとにわかには信じられないことだった。

というか15才って中学卒業したばかりなんだけど、なにか訳ありそうだったので深くは追求しなかった。出来なかったとも言う。

私は実は政府が極秘で養成している探索者じゃないかと考えたりしてる。それを言うと皆に笑われたんだけど・・・。

まぁ実際のところはどうかわからないけど、そのくらいの秘密はありそうだ。


「でも一応連絡先とかも聞けたからね。今後もしかしたらコラボとかあるかもね」


「まぁそれは向こうの反応しだいだな。今はこっちが勝手に言ってるだけで、まだそういう話は全くないからな」


タツアキが私の言葉に補足してくれる。

確かに気が急いてしまったかもしれない。彼らの気持ちも考えずに勝手に話すのは良くないと反省する。

それにコラボではなくとも、単純にいろいろと探索者として話を聞きたい。

それはメンバー全員が同じ意見であった。


--

まじかうらやま

それは本当に楽しみ

いつになるんですか?

--


「本当にまだ何も決まってないからね・・・?まぁその前に私たちがまず頑張らないといけないかもだけど」


「今回自分らの実力不足が実感できたしな。そこら辺は俺等の頑張り次第でもあるかもな」


「それじゃあ今日は来てくれてありがとう。次回も来てね-。それじゃーまた!」


「それじゃまたな」


--

おつー

お疲れ様ー

お疲れー

お疲れー

--

今回で書き溜め分がなくなった・・・

次はちょっと遅くなるかも・・・。なるべく早めに頑張ります・・・

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