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はだしまい  作者: MANAM


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第七話 clear Lilly floral

「そうだ、せっかく来たんだし上がってかない?」


嬉しそうに言うゆりえの提案に警戒する澄香。


「変なことしない?」


「しないってぇ」


満面の笑みのゆりえに澄香は自分の胸元を抱き、その最後の「ぇ」が怪しいと思いつつ、聞きたいこともあるのでお邪魔することにした。


ゆりえの家は一昔前の家屋で玄関は引き戸、一階は全て和室だった。

しかし古臭い感じはなく内部はリノベーションされ洗練されていた。


ゆりえの部屋も和室で部屋の入口はドアではなくガラス障子だ。


澄香はそんなゆりえの部屋で返却した薄い本に目をやりながら疑問をぶつける。


「なんですみれちゃんがそんな本持ってんの?」


「ああ、これあたしのだよ。勝手に持ってっていいよって言ってんの」


予想はしていたが、小学4年生にそんなもん自由にさせんな! と、澄香の心のツッコミ。


「でもそういう本って18歳じゃないと買えないでしょ?斉藤さんはどうやって手に入れたのさ。問題あるんじゃないの?」


「うーん…まあ大丈夫でしょ。これ描いたのあたしだしね」


ウインクしながらいうゆりえに目を丸くして言葉を失う澄香。


実は澄香もちょーっと興味があって、家を出る前に、ちょーっと中身を拝見していた。


「あくまでもちょーっと見ただけだけどこの本の中のキャラクター、スミカって名前なんだけど…もしかして…」


「そそ! 加美さん! で、こっちのユリエってのがあたし! ごめんね! あの日お祭りで加美さんの足を見た時にどうしても描きたくなっちゃって!」


薄い本のタイトルは『ゆりあし』女の子同士の足フェチ百合本だった。


「ね、加美さん靴下脱いで! 加美さんの裸足今ここで描かせて!」


あっけらかんと言うゆりえに「やだよ!」と言う当然の拒否。ゆりえは手の指をワキワキさせながら、「脱がないと服まで脱がしちゃうぞー?」と、悪い顔をしながら迫って来る。


「そんなこと言うなら斉藤さんが先に脱ぎなよ!」


「え!? あたしが脱いだら加美さんも裸になってくれるの?」


思っていた答えと違う言葉が飛び出して来て、


「え?うん…」と言ってしまう澄香。


ゆりえも思っていた答えと違う言葉が出て来て、「え?ほんと?」


「あ…うん…え…?」「え?」しばらく二人で「え?」の応酬が続いた。


数分後、二人の体感では数百年後、お互い背中合わせで顔を真っ赤にしながら座っていた。


「えと…じゃあ脱ぐ…ね…」


そう澄香が言う。

なんだかわからないうちに、お互い服を脱ぐことになってしまった澄香とゆりえ。服を脱ぎ始める。静かな部屋の中に、服を脱ぐ衣擦れの音だけが聞こえる。


「ぬ…脱いだよ…」


そう言って澄香が振り返ると、目の前に真っ白な肌をした髪の長い裸の美少女が顔を真っ赤にして俯きながら、胸を隠して上目遣いで澄香の方を見ていた。


ゆりえとはわかってはいるが、また別の人に見えて来てしまうほどに美しく見えた。胸は控えめ、でもスタイルはかなりいい。まじまじと見てしまう澄香。


「えーっと…どちら様?」


恥ずかしそうに聞く澄香に、


「だから、斉藤だよぉ…」


と、ゆりえも恥ずかしそうに笑いながら返す。

クラスでもあまりまともに話したことのない二人だったが、お互いにすっぽんぽんになったことで、妙な連帯感、絆が芽生えたような気がして、ゆりえの方から、


「ねえ加美さん…下の名前で呼んでいい?」


「うん…あたしも今、それ言おうと思ってた」


お互い耳まで真っ赤にしてはにかむ。

そして、二人で息を吸い込み、せーの! でお互いの名前を呼び合おうとした時、ガラッとガラス障子が開かれた。


「お姉ちゃん、本借りて行ってもいーい?」


すみれの闖入。そのすみれの目に映るのはすっぽんぽんのお姉さん二人組。


「いやあ! 今日はあっついねえ澄香!」「いやあ! ほんとほんと! 服脱がなきゃやってらんないよねえ! ゆりえ!」


顔を真っ赤にしてヤケクソ気味に名前を呼び合う二人を人差し指を唇に当てて、ほえーという顔で見ているすみれだった。

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