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「2012年のチーム・サンジェルマン」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑥)  作者: サナダムシオ


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⑧ サジ加減

「その辺りのサジ加減が難しいせいで、我々チームの面々は……と言うか、私と雪村君と雪子さんですけど、これまで幾度となく、高次元の存在から睨まれて来ました」

 と伯爵は告白した。勿論、ソクラテスとイエスに対してである。他のメンバーにはもう、周知の事実だ。


「ただ、我々が掴んだ情報によると、高次元の存在、特に三次元世界に関りを持ち易い、四次元と五次元の住人たちの件なのですが……」

「どうかしたのかね?」

 ソクラテスが訊く。


「どうも、彼等は"一枚岩"という訳では無いようなのです」

「と、言うと?」


「基本的に、彼等は、我々のような低次元の世界には、無関心な筈なのですよ」

「……そうなのかね?」


「どうやら彼らの一部の者が、我々の世界に関心を持ち、介入して来ているようなのです」

「ソレは、一体、どういう……?」


「つまり、魂が高次元の世界に、昇華しているにも関わらず、未だに、物理的な体験が出来る三次元の世界に、未練が有る、といったところでしょうか」

「なるほど」


「逆に、我々が、マシンなどを使用して、同時間軸内の、過去・現在・未来を自由に移動したり、別の時間軸を訪問したりする事が、それぞれ、彼ら四次元、五次元のテリトリーを荒らしている、と解釈されている節もあります」


「……神々の縄張り意識という訳か。ケツの穴の小さいような事を言う」

 ソクラテスは、些か下品な言葉で例えた。


「つまり、今の説明の前者が、超能力でニンゲンをそそのかす者ルシファー、後者がニンゲンを物理的世界に閉じ込める者アフマリン、と言う訳なのね?」

 雪子が話をまとめるように、そう言った。


「正にその通りです、雪子さん」

 サン・ジェルマンも同意した。

「そして、悪意を持って、ニンゲンに関わって来る彼等の事を、我々は総称して、"悪魔"と呼んで来たのです」


「……悪魔なら、私も何度か、退治した経験が有ります。人々のカラダに入り込み、病に陥れる者たちでした」 

 とイエスが言う。すると……。


「そうです。カラダに耐性が無く、栄養不良などのせいで、元々丈夫ではない者の中に、四次元人の精神体が入り込むと、たちまち体調が悪く成るのです」

 と即答する伯爵。


「事情は大体理解出来ました。それで、我々過去からの訪問者に、何を期待し、依頼するつもりですかな?」

 イエス・キリストが、改めてそう言った。


「過去・現在・未来を俯瞰できるイエス先生なら、もうとっくにお気づきかと……」

「……そこは勿論、キミの口から、直接依頼の言葉を聞かせてもらうのが、筋と言うモノだろう?」


「失礼致しました。では、改めまして……ソクラテス先生、イエス先生」

「うん、申してみなさい」


「今後の我々の戦いに、チカラを貸して下さい」

「よかろう」

「いいでしょう」

 二人の賢人は、同時にユニゾンで承諾の返事をした。


 かくして、チーム・サン・ジェルマンは、2012年の危機に備え、より一層強固な布陣となったのである。


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