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「2012年のチーム・サンジェルマン」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑥)  作者: サナダムシオ


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③ イエス・キリスト

 その後イエスは、サン・ジャルマン伯爵によって、無事に2011年の12月1日まで運ばれ、名護屋テレビ塔の地下にある、ゲストルームに案内された。


 以来彼は、伯爵から、この未来の世界についての様々な物事をレクチャーされ、現在に至るのである。だから、エレベーターの操作など、造作も無い事だった。


※ 以降の会話は、全てヘブライ語でなされています。しかしながら、作者の執筆の都合上、日本語表記になっている事をお許し下さい。


「イエス先生。こちらは私の内縁の妻、村田京子です。京子さん、ご存知かと思いますが、こちらはイエス・キリスト先生です」


「……はあ、はじめまして」

 京子は、その場で立ち上がり、イエスに、おずおずと頭を下げて挨拶した。


 何しろ相手は、世界の3分の1を牛耳るという、一大宗教の教祖だ。

 緊張するのも、無理も無い話なのである。

 因みに残りの3分の2は、仏教徒とイスラム教徒だと言われている。

(所説有り)


「おお、京子さんですか。恐らく貴女は日本人ですね?伯爵も、女性の趣味が良いと見える。まあ、お座りになって……ところでキミは、日ユ同祖論はご存じかな?」


 自分も、同じテーブルの座席に陣取りながら、そんな風に、気さくに彼女に話しかけるイエス。そのタイミングで、伯爵も席に着いた。


「ええ、まあ、聞いた事ぐらいは……」

 相変わらずドギマギする京子。

「アレは案外、正しいのかもしれませんよ?その証拠に、青森県のヘブライ地方には、私の墓も在りますから……確か亡くなったのは、106歳だったかな?」

 イエスは、そんな都市伝説めいた情報を、ニコニコ笑いながら彼女に告げた。


「そうなん……ですね?」

 京子は話について行けない。

「それに江戸時代の、天草四郎君も、よくがんばってくれましたね。そうだ、その件にも、キミたちのチームが関わっているのでしょう?」

「はあ、よくご存じなんですね?」


「歴史上の大抵の事は知っていまいすよ。特に、自分に関わることはね?」

 彼は京子にそう言って、片目を瞑って見せた。


「ただし、今後私が関わる人々の中で、たった一人、どうしても、その正体と思考が掴めない人物が居るのです」

 イエスは、急に真面目な顔になって、そう言った。


「ソレは……ひょっとして、ボクの事でしょうか?」

 突然、イエス・キリストの背後で、そんな声が聞こえた。


 そこに立っていたのは……あの真田雪村だったのだ!


挿絵(By みてみん)

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