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「2012年のチーム・サンジェルマン」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑥)  作者: サナダムシオ


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㉓ 約束の日

 そんなこんなで時は過ぎて行き、とうとう12月21日になった。

その朝、チーム・サン・ジェルマンのメンバーは、全員、伯爵の呼びかけで集められ、亜空間レストランに揃っていた。


 午前8時の事だった。

 せっかくだからと、皆で朝食を取っていたところ、突然、彼等の目の前に、或る一人の人物が現れたのだ。


 それは、壮年の男性で、銀髪に銀色の髭を蓄え、生成りのキトンの上にヒマティオンを身に纏った、見るからに古代ギリシアの神、と言う出で立ちの者だった。


 杉浦鷹志などは、思わず「……ゼウスみたいだ」と呟いてしまったくらいである。

 イエス・キリストとソクラテスは、黙って見つめていた。


「やあ、伯爵と……そのお仲間の皆さん、ごきげんよう。おや、ジャン・ヌダルク君に、イエス・キリスト君まで居るね。よくもまあ、これ程の才能の数々を、揃えたものだ」

 よく響くバリトンボイスで、その男は言った。


「どちら様ですか?」

 落ち着いた声でサン・ジェルマンが尋ねた。

「キミがよく知っていて、キミをよく知る者だよ」と彼が答える。


「まるで禅問答だな?」ソクラテスがすかさず、そんな感想を言った。

「あなたは神……ですか?」イエスが念のために、重ねて訊いた。

「かつてキミたちの先祖に、そう呼ばれた事も有るな」


「……回りくどい事を言わずに、さっさと"四次元人"だと、おっしゃったら如何ですか?余計な事を言うと、勘違いの元になりますよ?」と伯爵がクギを刺した。


「やだなあ……もう少し楽しませてくれてもイイのに。いつも、コチラからキミの事を、呼び出してばかりだから、たまにはコチラからキミの所に、出向いた次第なのだよ?」


「何しにいらしたのか、とっとと目的をおっしゃって下さい」

 伯爵の言い方は敬語なのに、言葉が些か乱暴だった。


「今日は皆さんに、お礼を言いに来たのですよ。もちろん、コレは、仮の姿ですがね?だって、黒いモヤモヤした姿では、話がし難いでしょ?」

 そのセリフを聞いた瞬間、座っていた他のメンバーが、全員その場で立ち上がった。


「おう、おう、皆さんお元気そうですねえ。そんなにイキリ立たなくても、大丈夫ですよ。何しろ私は、キミたちが退治し続けた、"ソレらとは違う"四次元人なのですから」

 その神の姿をした者は、そう言って悠然と笑った。


「ソレは一体、どう言う……意味なのかしら?」

 返答次第では、今すぐ跳びかかる構えのまま、雪子がそう言った。

 オリハルコンの剣は、まだ鞘の中だった。


挿絵(By みてみん)




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