表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

#7

・今回は人を殺める場面や死描写、グロ描写(?)といった残酷描写が含まれております。

苦手な方はご注意ください。


・今回以降は機械によって加工された音声で話している場面がございます。

「」→肉声

『』→機械によって加工された音声

 裏では黒幕が動き始めていることを(まった)く知らない返り血に(まみれ)れている来栖と由佳(ゆいか)


 彼らの前後には女が現れる。

 後ろから歩いている音が聞こえたため、「あら?」と彼女が反応した。


「誰かいるのかしら? 前から女性が来るわ。後ろは……」

「速やかに片付けるとしよう」


 前方側では彼の拳銃から銃声があがる。

 上手くいかなかったのかもう一発射撃。

 女の頭部から血を流して倒れたと同時に――


「きゃっ!!」


 聞こえてきた悲鳴。

 その悲鳴は由佳の口から発されたもの。

 来栖は「なんだ!?」と後方を向く。


「いやっ! 離して!」

『黙れ!』


 彼が見たのは漆黒のローブに身をまとった人物が片手で(かつ)がれ、じたばたしている彼女の姿だった。

 その人物はフードを目深(まぶか)(かぶ)っているため、顔には仮面らしきものがほんの一瞬だけ見える。

 機械によって加工された音声で、身の丈は来栖と同じか少し低いくらいなので、彼は男だと推測した。


 コトン……と由佳の(ヒール)が落ちる。

 来栖は彼女の足を見ると、左足のものだった。


「その女を返せ!」

『返すものか!』


 その男の手には拳銃を構えており、安全装置は外れ、何時(いつ)でも撃つことができる状態になっている。


 由佳を左肩に持ち替え、パンッ!! と銃声をあげる。

 彼の方に向かって飛んで来る銃弾。

 来栖ははっと息をのみ、身体(からだ)(つい)の方向に避ける。


 このままでは由佳も自分も命はないと――


『チッ……外れた。一発だけじゃ死ななかったな……』


 面白(おもしろ)くなさそうに舌打ちする男はこう続けた。


流石(さすが)玄人(くろうと)の暗殺者だな。()れの女の実力は知らないけどな』

「彼女もなかなかの玄人だがな」

『……ほーん……』


 来栖は彼女の実力の高さは知っている。

 由佳には顔を合わせて直接褒めたいと思っていた。

 しかし、今の彼女は足を向けてじたばたしている状態なので、顔を赤くしてまで言ってもと思ったこともあり、真顔で敵に話している。


 一方の由佳は彼がどのような表情で話しているのかは分からない。

 もしかしたら、褒めているのではないかと頬を赤くしたが、それは一瞬だけだった。


「私を降ろしなさい!」

『俺に指図(さしず)するな! 仔犬(こいぬ)のように泣いていれば良いんだよ!』

「仔犬って……私のこと動物扱いなのね。最低だわ」


 男は彼女に対して『可愛くない女だな』と冷淡(れいたん)に言い、目線の高さから突き落とそうとした。


 由佳はこんなことされたら絶対に命はないと思ったやさき――

 ふわっと誰かの腕の上に乗った感覚があり、眼から涙がこぼれ出す。


「大丈夫か?」


 来栖が降ってくる彼女をお姫様抱っこで受け止めてくれた。

 安心した由佳は涙をぽろぽろこぼす。


「……怖かった……」

「怖い思いをさせてすまなかった」

「……でも、嬉しかった……私を助けてくれたのだから」

「どういたしまして」


 二人は恋人同士のため、いちゃいちゃしている中、男はその場から姿を消そうとしていた。


「待て!」

『なんだよ?』

「あんた、黒幕(・・)その手下(・・・・)だろう?」


 来栖はいちゃいちゃすることを止め、その男に問いかける。


「……黒幕も含め、全員ここに(・・・)()れて来い」

『…………』

「彼の指示が聞こえていないのかしら? 早く連れて来なさい」

「俺たちが……」

「「……手当たり次第、始末する!」」


 今にも嘲笑うような彼らの視線はその男に向けられた。

2026/07/06 本投稿

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ