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キルレ世界1位の家出少女の傭兵生活 -One of Million Bullets-  作者: 相模原ケイ


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8/20

⑧赤い髪の前衛

 舞台は日本・中国・オーストラリアの思想や文化が混在する未来都市「埠頭」。

金銭と引き換えに、VRMMO・ミリオンバレッツの勝たせ屋、傭兵として生き抜く少女シェン。

 シェンがスカウトされた世界戦とは、何と、国の統治権をミリオンバレッツの四ヶ国トーナメントで決めるという、VRMMOを戦争の平和的代替とするという人類史上初の試みだった。

 姜子が書類をしまいおわると、シェンに事務所の奥を案内した。

最初に見せられたの休憩室だった。少し物が多いが清潔そうな部屋だ。

二つベッドが置いてある。

「奥のベッドを使ってね。」

「私ここに住むの!?」

「手前のベッドは私が使っているの。仲良くやりましょ。」

「姜子さんと相部屋なの!?騙された・・・!」

シェンの現住所が事務所の住所になった。

「間にカーテンぐらい引くから。」と姜子。

この事務所に入居する時にフロア全体をリフォームしたらしく、

シャワールームもトイレもとても衛生的だった。少し機嫌が治った。

あと一部屋は物置らしく、スルーされた。


二人は机とソファーの部屋に戻って来た。

「ところで、お腹空いてるんだけど、出前でも頼んでくれるの?」

「ここにあるわよ!どうぞ!全部食べてもいいわ。」

それは乾パンが詰まった缶だった。

「ちょっと待って、まさか”提供する食料”って非常食の備蓄のこと!?」

「それだけじゃないわ!買い置きのカップ麺も食べていい。

一日二つまでね。」

「また騙された・・・!」

「騙してなんていないわよ。」

そのあと

「たまにピザ頼んだりしてるの。ピザは好き?」

ピザは好きだが・・・。普段食べるものの水準があまり上がっていない。

前よりマシか。


「シェン。この後、・・・あ、来たみたい。」

「誰が。」

「貴方のチームメイト。」

事務所の扉の前に人影が映った。コンコン、とドアを叩いた。

「入ってらっしゃい。」

「こんにちは!」日本語だ。


 ショートヘアを紅く染めた少女。ツンツン髪だ。少しお化粧している。

イヤリングとチョーカーをして、

髑髏と天使の羽根がプリントされた白Tシャツを着た姿はパンクロッカーを想起させる。

 ギターケースを担いで駅のホームにバンド仲間と立っていそうだ。

黒いズボンを履いているが、スカートは合わないと思うから正解だと思った。


「紹介するわ。彼女はナオミ・スカーレットよ。」

「あー、シェンです。よろしくね。」

「貴方がシェンちゃん!?」

パンクロッカーが身軽に近付いて来た。


「うわ~~!可愛い~!!世界一位がこんなに可愛い人だと思わなかった!」

「そんな・・・。ナオミさんこそ美人です。」

「私はお化粧してるの!シェンちゃんはノーメイクだよね!それでこんなに肌綺麗なの~?ずる~い!」

肩を掴まれて揺すられる。

「ちょっと、揺らさないで。」

世のパンクロッカーはこんなノリなのだろうか?


「ストップ!」とシェン。「オーソーリー!」とナオミ。

姜子がクククと笑っている。

「貴方達、気が合うと思ったのよね。」

「今の何を見て気が合ってると思ったのよ。」

「アタシはシェンちゃん好きだよ。」

ナオミの白い歯がこぼれた。

シェンはフゥーと一息つくと、

「ハーフだよね?」とナオミに訊いた。

「ザッツライ!オーストラリアと日本のハーフだよ。埠頭生まれ!」

今度はナオミが尋ねてきた。

「シェンちゃんって何歳?私16。」

「15歳です。」

「これからはお姉さまと呼びなさい。」

「急にキャラ変えないで下さい。」

姜子は楽しそうにキセルを吸っている。シェンが口を開いた。

「大会の件ってナオミさんには話してるんですよね?」

「話してあるわ。」

続けて、

「ナオミはこの事務所が、ミリオンバレッツ選手を雇う事になった時に唯一残ってくれたの。

他の子は皆、よそのタレント事務所に移籍して貰ったわ。」

道理で事務所で人を見かけないわけだ。

しかし、ということは。

「ナオミさんってタレントだったんですか?」

「そうだよ。アイドルでデビューしたんだけど、芽が出なくて。」

いやアイドル路線は無理だろ、とシェンはツッコみたい衝動を抑えた。

インディーズバンドで活動したほうがいいと思う。


「その子、強いわよ。アサルトライフルでレート2.0以上あるわ。」

「あたし、ミリオンバレッツ大好きでチームリーダーやってたの。」

 シェンは心の中でナオミを見直していた。前衛はレート2.0あれば強プレイヤーと呼べる。

前衛はエネミーに姿を晒すことが多いからだ。

いくら後衛のスナイパーが強力でも、前衛がすぐ崩れては狙撃する状況が整わない。


「ナオミさんの人脈で強い選手を仲間にできませんか?」とシェンが問う。

ナオミは初めて困り気な顔を見せた。

「んー。自分のチームメンバー以外とはあまり繋がってなかったんだよなー。

そのメンバーとも音楽性の違いで散り散りになっちゃたし。」


この人はやはりパンクロッカーなのではないか??




つづく



副題: -One of Million Bullets-

読んで頂きありがとうございます。できれば評価お願い致します。

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