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キルレ世界1位の家出少女の傭兵生活 -One of Million Bullets-  作者: 相模原ケイ


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7/20

⑦4ヶ国トーナメント

 仮想世界で銃撃戦する大人気VRMMO「ミリオンバレッツ」が一世を風靡している世界。金銭と引き換えにチームに加わり、傭兵として生き抜く少女がいた。

 舞台は日本・中国・豪州の思想や文化が混在する未来都市「埠頭」。少女の名はsixennシェン。シェンは少しずつ世界を動かす潮流に身を投じていく。



「あーーーーーーーっつい!!!」

シェンは水風呂に走り寄り、頭をそのまま突っ込んだ。丸裸だ。

サウナから大道寺姜子が続いて出てくる。

「水風呂に潜っちゃいけないのよ。シェン。」

体にバスタオルを巻いている。髪を腰まで下ろしている。

「今は誰も使ってないからいいじゃない。」

「日本の礼儀というのは、いついかなる時もよ。」

「私中国人だから知りません。それに何で日本の礼儀が出てくるのよ。」

「サウナは日本の心でしょ。」

「フィンランド人が聞いたら驚くでしょうね。」


 脱衣所で扇風機に当たる。気持ちいい。今日は露天風呂も入れた。

事務所に行く前に「寄ってかない?」と言われてスーパー銭湯に来た。

姜子はサウナが好きなのだそうだ。私は一回入っただけで十分だった。

水風呂は気持ち良かったが。

 先に出て姜子を待つ。ゆったりリクライニングした席で横になる。

天井では空調のファンが回っている。ここは経費で落ちるそうだ。

早々と「事務所に入って良かった」と思っている。

この後に明かされる真実を聞けば、これぐらい当たり前だと思うのだが・・・。


姜子と合流して商業区を歩く。事務所まで5分強だそうだ。

「はぁーーー。平日昼のサウナ最高ー。近くに事務所借りて良かったー。」

シェンも久しぶりの湯舟に体がほぐれて気分がいい。姜子の髪はまたアップになっている。

姜子が髪について尋ねて来た。

「その髪、カラーフィックス*よね。」

「そうよ。もう三年ぐらいこのまま。」

(※髪の色を変え、固定する技術。眉毛など全身の毛にできる。)

シェンは自分の髪を手で梳いてみせる。

「似合ってるわよ。それ。」

「!」

「貴方らしい感じがするわ。」

「謝謝。」

「何で急に中国語なのよ。」

シェンはニッと歯を見せて笑った。



「ここの二階よ。」

「思ってたより小さいのね。」

雑居ビルの一角だった。グレーな界隈なら普通なのかもしれない。


姜子が一階のポストで手紙を確認してから階段を登ると、鍵を開けて事務所の中に入った。

入口に面した部屋は、二つのソファーが向き合っており、その間に木製のテーブルがある。

他にも数部屋あるようだった。

「ようこそ!我が城、大道寺事務所へ!」


二人はソファーに座って向き合った。

姜子が書類を広げている。話し合う事はいくらでもある。

「私の親に知らせないのは絶対だからね。顔も実名も出さない。」

「分かってる。約束する。この細則読んでくれない?良ければサイン。」

シェンは幾つか要点に目を通した。

「契約金無しなの?」

「それは申し訳ない、けど当面の住む場所は提供するし、必要な食料も提供するわ。」

世界戦の賞金の取り分は、メンバーが集まった後に決めるとも言った。

「う~ん。そうくるか。」

それと幾つかの確認が行われた後、シェンは事務所に入ることを決めた。書面にサインする。

ここは流石に実名で書いた。


「ふぅー。これで私達、晴れて仲間ね!」

「もう隠してること話して貰うわよ。」

姜子は座り直すと電子キセルを吸った。

「一応確認するけど、埠頭の統治権の奪い合いが起きているの、

知っているわよね?」

「まぁ、そりゃ。」

「ミリオンバレッツで決めるの。」

「?」

「ミリオンバレッツの4ヶ国トーナメントで勝った国が、埠頭の統治権を手に入れるのよ。」

「そんな馬鹿な!?」

「これはもう各国間では決まってること。でもまだ表沙汰になっていない。

でも、もうすぐ公表されるわ。開催は二ヶ月後。」

「そんな、そんな国家レベルのことが・・・!」

これから予期される様々な状況が頭を駆け巡る。

「今からで集まるの!?メンバー!」

「実は1人内定してるのよ。貴方と合わせて二人ね。」

「・・・!」

「集めるの手伝って欲しいの。」


シェンは大きく息を吐いた。

言われなくてもやる。迷い猫だった頃より忙しくなりそうだ。




つづく

副題: -One of Million Bullets-

読んで頂きありがとうございます。できれば評価お願い致します。

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