㉓ 卓上のスナイパー
シェン達は練習が休みの日にも関わらず事務所に集合し、話し合いをしていた。白熱している。
議題はチーム名を何にするかだ。
「デアデビルズがイケてるってー!」
これはナオミの候補。
「風林火山がいいです。」
文太郎。
「デビルって悪役みたいです…。」
サティ。
「韻を踏んでるのにしたいんだけど。」
シェン。
姜子は楽しそうにキセルを吹かしている。
4人はやいのやいの言い合い、既に小一時間が経過していた。
姜子が口を開いた。
「貴方達、誰がチーム名を決めるか、勝負で決めたらいいと思うわ。」
「勝負って…なにで勝負するの?」
姜子が机の下からゴソゴソと箱を取り出した。
「これよ。」
それは麻雀セットだった。
「それかぁー!」
「確かに4人揃ってますもんね。」
「え、あたし麻雀できない…。」
「麻雀は望むところだけど、サティちゃんができないんだから無理じゃ?」
姜子がサティに提案する。
「私がサティの代打ちとして入るわ。私が一位になったらサティがチーム名を決めたらいい。どう?」
「なるほど。姜子さん、よろしくお願いします。」
文太郎が事務所の机を片付けて物置から麻雀用に机と椅子を持ってきた。みんなその補助をした。
東南戦。最後に一位のプレイヤーがチーム名を決められる。
牌が台に散らばる。洗牌からだ。
心臓がトクントクンと脈打つ。牌に触るのは久しぶりだ。
サティちゃんは説明書を読んでいる。
さて、配牌は________
1時間後
ナオミの捨て牌に対し、シェンは牌を倒した。
「ロン!」
「リーチ1発ドラ1!」
南場最終局はシェンの和了で終わった。
「裏ドラ。」
シェンが裏ドラを確認する。
裏ドラが乗らないままでもシェンの得点は一位なのだが、裏ドラは必ず確認するものだ。
「裏ドラ乗らず、5200点!」
「だあぁぁー!!」
とナオミが牌を崩す。
「ちょっとー聞いてないよー。シェンちゃんが麻雀も強いなんてー!姜子知ってたの?」
「いいえ。今日初めて知ったわ。」
「シェンさんって多才ですよね。」
シェンは牌を片付けながらニコッと笑った。
後ろで見ていたサティがシェンの腕を取る。
「シェンちゃん格好良かったよ〜!
私も麻雀やりたくなったもの。」
「打つだけならすぐできるようになるよ。
タンヤオとピンフさえ覚えれば麻雀は打てるって言うの。」
「タンヤオ?ピンフ?」
「役の名前よ。次にやるまでにサティも混ざれるようにしましょう。」
「で結局チーム名は何にするの?シェンちゃん。」
ナオミはいささか面白くなさそうだ。
「牌を触りながら考えたんだけど。やっぱり私達はミリオンバレッツで銃持ってる方が合ってるなって。だから
『Ones of Guns』(銃の申し子)ってどうかな。」
「ワンズオブガンズ…」
皆が声に出している。
最初に反応したのは文太郎だった。
「いいですね!韻を踏んでて!」
「確かにかっこいいね〜。デアデビルズには負けるけど。」
「うん!格好いい!それにシェンちゃんらしい!」
「え?そうかな?」
「うん。だってシェンちゃんこそ銃の化身って感じだもん。」
「タハハ。何か喜べないな。」
「いい名前だと思うわよ、シェン。…あ、来たみたい。」
姜子が宅配ピザを受け取る。元あった大きいテーブルを戻してピザを並べた。烏龍茶の杯を行き渡らせる。
乾杯の音頭はリーダーであるシェンが取った。
「ワンズオブガンズの明日へ!」
「「乾杯!」」
世界戦まであと32日。
つづく
副題: -One of Million Bullets-
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