㉒姉と妹
「中国ランキング一位のシェンリーは、私の妹です。」
「「ええええ!!」」
「中国一なんだから強いのは分かるのだけど、問題は、シェンより強いかどうかよ。どう、シェン?」
「私は、妹とミリオンバレッツをやっていた頃、勝てたことがありません。」
沈黙を破ったのはサティだった。
「シェンちゃん、今なら勝てる?妹さんに。」
「・・・正直、分からない。」
空気が重たい。再び沈黙が訪れる。次に沈黙を破ったのはナオミだった。
「これ名前何て読むの?りゅう?」
「龍と書いてルンです。シェンリー・ルン。」
「へー。ルンちゃんかぁ。何使うの?」
姜子が応える。
「ロングレンジスナイパーよ。対戦動画を見たけど、シェンに似てるタイプね。」
「そうですね。妹も、私みたいに他の武器使えますけど。
高いレベルではスナイパーが勝敗を分けますから、スナイパーで出場すると思います。」
「シェンさん以上のスナイパーの可能性あるんですよね?
カウンタースナイパーされた時の策を今から決めておくべきじゃないですか?」と文太郎。
(※エネミーのスナイパーを、スナイパーがマークして封じる作戦をカウンタースナイパーと呼ぶ。シェンがよくやっている。)
姜子は微笑していた。
「策ならあるわ。うちのスナイパーはシェンだけじゃないんだから。サティがいるもの。ね?」
「え、はい!」
サティはいきなり振られて驚いたようだった。
シェンもその意味するところが分かったようで、ニッと笑っていた。
「ちょっとー2人だけ分かってないで私にも教えてよー。」
〈中国某所〉
1人の小柄な少女が広いベランダの縁に座っている。
足をぶらぶらさせている。
そこに1人の男が声をかける。
「ルン。練習が始まるぞ。」
「今は気乗りしなーい。気が向いたら行く。」
「…お前選抜メンバー外されるんじゃないか?」
「まさか、でしょ。」
男は諦めたようで、歩き去った。
少女はオレンジ色の髪をツインテールに結っていた。
幼い。中学校に入ったばかりのような外見だ。
青い空を見上げて、ルンは呟いた。
「また、私の遊び相手になってくれるんだね。
お姉ちゃん。」
つづく
副題: -One of Million Bullets-
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