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キルレ世界1位の家出少女の傭兵生活 -One of Million Bullets-  作者: 相模原ケイ


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12/20

⑫木漏れ日の中

「我是sixenn!请听我说!」

(私はシェンです!話を聞いて下さい!)

と中国語で叫んだ。

すると、パーカー姿の女性が立ち止まった。

警戒しながらこちらを見ている。

「你是那位前狙击手吗?」

(あなた、さっきのスナイパーなの?)

シェンはハーハー言いながら膝に手をついている。

全力疾走など久しくしなかった。

息を整えながらフードの女性の質問に答えた。

「そう。私、さっきソロモードで貴方を狙撃したスナイパー。

相打ちだったけど。」

「シェンさん?まさかキルレート世界一位の?」

「そのまさか。」

シェンの息は整って来ていた。


「凄い。世界一だ・・・。」

「貴方がサティさんだよね?」

「そうね。不本意ながらそう呼ばれてる。」

少しの間の後、

「でも、何で私を追いかけて来たの?」

「それは、ちょっと事情があって・・・。人がいない場所で話したいんだけど。」

しばらく間が空く。警戒されている。ワードチョイスが悪かった。反省。

「ごめん。端的に言うと私とミリオンバレッツのチーム組まない?っていうお誘い。世界戦に出るの。」

「!!」

サティは驚いたようだった。そして少し黙っていた。

「チームには入れない。ごめんね。」

シェンは心から落胆した。

やっと好敵手を見つけたと思っていたからだ。

自分の力を全て解放して尚、互角に戦えるという無常の喜びを、

シェンは今日のソロプレイで見出していた。

サティともっと高め合いたい。そして、一緒に戦いたいと強く願った。


「分かったわ。追いかけてごめんね・・・。」


「シェンさん、近くに広くて木々が綺麗な公園があるんです。」

「?」

「そこでお話しませんか?」


 シェンとサティは公園のベンチに座っている。木漏れ日が心地よい。

しかしサティはフードを深く被ったままだった。

サティの声は、同年代の少女を想起させた。

「シェンさん、ここは中国系の人が多いので聞かれたくない話は日本語で話すといいですよ。」

「サティさんって日本語話せるんだ!」

「私、日本のハーフなんです。」

「日本と、どこのハーフ?」

「中国です。」

「え~!私と一緒!」

サティも驚いているようだった。その表情は見えなかったが。


サティがポツリと口を開いた。

「私より強いスナイパーの方と今日初めて会いました。」

「え?サティさんの方が強いよ。勝ってたよね。」

「いえ、チームの勝敗でなく、個人のキル数と、あと内容的に完全に負けだと思いました。」

「そんなことないよ!それに最後、相打ちだったよね。」

「私が幸運を掴んだだけです。再現性は無いと思います。

それに、シェンさんはソロモード慣れてないのに最もキルを取りました。」

確かにソロモードに慣れていないのは一理あるかもしれない・・・。

しかし、

「どっちが強いか分かんなくていいから、そんな私と組まない?

絶対最強だよ!」

サティは黙っている。

「ごめんね、しつこくて。」

「いいえ。・・・シェンさんって口堅いですよね?」

「堅い方だよ。」

「私が何でチームを組まないのか教えます。顔を見ていて下さい。」

サティは分厚い灰色のフードを持ち上げると、その顔を初めて晒した。

シェンの方を向く。

「!!」

サティがまたフードを深く被る。

「私、生まれつき色素が薄いんです。」

サティの肌は神秘的に白く、眼は紅く、髪はプラチナブロンドだった。

シェンは、この様な体質があること自体は知っていた。

「無理させてごめんね、サティさん。」

「いえ、珍しいものですし。シェンさんは気持ちのいい人なので見せました。」


「サティさん!うちのチームなら大丈夫だよ!

どんな体質抱えてても絶対嫌な思いさせない!私がさせない!」

シェンはポケットから大道寺姜子の名刺を取り出し、サティに渡した。

「私の名刺が無いから、所長の名刺でごめん。

もしチーム組むことに興味湧いたらこの事務所に連絡して。

私そこに住んでるから!」

「住んでるの!?」

「まあ騙されて致し方なく・・・。」


「シェンさん。私の名前、教えますね。」

「いいんですか?」

「シェンさんには知ってて欲しいんです。私は杉浦美嶺すぎうら みれいです。」

「私は神里みさと あい。」

二人は握手する。

そしてモバイルデバイス(※スマホなど)の連絡先を交換し合った。

「何日か考えてみて。私は待ってるよ。」

「分かった。今日は話せて良かった。またね。」

「うん。また会おう?」

木漏れ日の中、サティこと杉浦美嶺は駅に向かっていった。

その足取りは気のせいか、普段より軽やかだった。



つづく

副題: -One of Million Bullets-

読んで頂きありがとうございます。できれば評価お願い致します。

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