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野々さんに事前連絡していたので土曜日の午前10時に武蔵境駅の南口で待ち合わせをしていた。
この日の廻琉は滅多に乗らなくなった自転車で行った。
アンプはハンドル前にある籠の中に入れている。
なんとか入ったが運転がしにくい。
廻琉の家から野々さんが住んでるアパートまで、地図上で見ると距離としてはそれほど遠くはない。
バスなどの公共機関を使ってとなると行きにくい場所になる。
野々のののが時間前に駅の南口で待っていた。
廻琉がやって来たのはすぐわかった。
見るからに危ないヨタヨタした自転車でやって来たのが廻琉だった。
大丈夫やろかとお姉さんは心配してしまっている。
今日は野々さん独りだ。
相方の大神田さんはお休み。
いくらコンビっていってもそんな四六時中一緒ってわけでもないだろう。
野々さんのアパートまでは歩いていってもそれほど苦になる距離ではなかった。
バスに乗って帰ろうとするなら遠回りになってしまう。
廻琉の家と同じような感じだ。
廻琉の家も三鷹駅からだと歩いたほうが早かったりする。
廻琉は自転車を降りて歩いている。
前の籠にアンプを入れてるのでその重さのためヨッチヨッチと自転車を動かしている。
野々さんと話しながら歩いてると着いてしまった。
住宅地の中にある普通のアパート。
周辺にはお店はない。
「ここだと買いものって駅前のイトーヨーカ堂ですか?」
「そう、ちょうど駅前だから。
学校からの帰り道に寄って帰れるから便利」
「ここのイトーヨーカ堂って大きいですよね。
道路を挟んで2店あるっていうのも珍しいですね」
「確かに、他ではあまり見ないような···
利用するのは地下の食品売り場がメインだけどね」
そりゃまぁ、スーパーだから食品がメインになるでござるね。
廻琉はあまりスーパーに立ち寄ることがない。
コンビニばかりだ。
「あの倉庫だ。
そのアンプを置いてしまおう」
野々さんが鍵を使って倉庫のドアを開けた。
廻琉がうんしょっとアンプを中に運び込む。
あら、思ったより綺麗で本格的。
伶蕗のドラムもちゃんとセットされてる。
「前回、岡山田さんがきた時はすっかり忘れてたことがある。
自分がデモで録ってた曲を聴いてもらうのを忘れてた。
あの時はドラムをセットしてからお昼ごはんを作って農業の話ばっかり。
農作業やら収入の話なんかで終わってしまった。
あとから気づいたのが、そういえば音楽の話ってしなかったなぁって」




