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ドラムの搬入が終わったので野々さんの部屋に移動した。
おぉ、これが現役女子大生の独り暮らしの部屋かと廻琉のように感動した伶蕗だった。
「お昼ごはんを作るかね」と青山さんがキッチンに立った。
ごはんはすでに野々さんが炊いていた。
「簡単でいいよね」って野々さんが食器を運んできた。
あとはインスタントのみそ汁。
お湯を沸かすためにキッチンへ入った。
「お米はね、ぜんぶあたしが用意してるの。
ののだけの負担にならないようにね」
「そうなんですね」と伶蕗も一緒になってローテーブルの上を片づけていく。
野々さんの部屋は床に座るスタイルだ。
二段ベッドもある。
ベッドの下のスペースも有効活用している。
これだけでも限られた部屋の広さがずいぶん違う。
「できたよ」と青山さんが大皿を運んできた。
デ〜ンとローテーブルに置いたのがホイコーロー。
「インスタントみそ汁は各自選んで」と野々さんがやかんを持っている。
伶蕗は油揚げにした。
立派なホイコーローごはんだ。
小皿に取り分けていってのお昼だ。
なんか美味しすぎるんですけど。
「このアパートに住んでる人って学生なんですか?」
伶蕗からの素朴な疑問。
なにしろ独り暮らしをしてる人の部屋にお邪魔したのは初めてのこと。
実は伶蕗も独り暮らしをしたいと思ってる。
それを実行に移せないのは経済的問題だ。
学生なので収入が低い。
いくらアルバイトしたって月に稼げて5万円が限界だ。
「学生は···2、3人いる?
住んでる人は、一応は知ってるけど学生かどうかまでは···
一番年齢が高いのはおじちゃんかおばちゃんってことになるかな···」
さすがに野々さんもそこまで住人とは親しくはないみたい。
全8室あって比較的ひっそりとしている。
最も賑やかなのが1階に住んでる野々さんのこの部屋になるんだろう。
収穫期になると農学部の仲間たちがやってくる。
アルバイト代を払っている。
野々さんに言わせると農業での年収は4,000万円を超えるそうだ。
他にはない特別なブランドの野菜と果実を高級店に直接販売している。
中間業者などはいないのでダイレクトに収入になっている。
これこそ農学部ならではの特殊な農業の在り方だ。
農業と音楽の同時進行っていうのも他ではあり得ないだろうなと伶蕗は思う。
廻琉はその次の土曜日にアンプを運び込むことになった。
その前に吉祥寺のハードオフに行って小型のギターアンプを購入していた。
peaveyというメーカーのアンプを見つけた。
peaveyといえばエドワード・ヴァンヘイレンが使ってたアンプ。
バックステージという10ワットのモデルで10,500円。
迷うことなく購入。
重さが4・5キロ。
吉祥寺駅までは廻琉の腕でも運ぶことができた。
三鷹駅から自宅までは途中休憩も挟んでいつもより3倍の時間をかけてたどり着いた。
家の中に入った時は腕がプルプルの状態になっていた。




