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この店での廻琉はクリームソーダ一択になる。
ちょうどチュ〜ってしようかと思ってたところへ空詩からの質問が届いた。
その空詩は廻琉が苦手で苦そうなあつ〜いブラックコーヒーを頼んでいる。
「あのバンドはあの日をもって解散でござるよ。
ギターの五百蔵は音楽の専門学校に行っててプロを目指すって」
「あぁ、あの人···ものすごく上手い人ね。
あれだけ上手ければプロになれるんじゃないの?」
「そうなるといいけど···
で、ヴォーカルの羽田は福岡に行ったよ。
歯科大学や」
「えっ、そうなの。
じゃ、音楽よりも歯科医になるんだ」
「う〜ん、そこらへんは知らんけど、歯医者で歌手っていうのもアリなんじゃないの?」
「そういう二足のわらじって人もいるわね。
医者で作家とかタレント活動してる人だっている」
「それでドラムの岡山田伶蕗は法政のキャリアデザイン学部。
せっしゃは武蔵野大学。
他のメンバーが集まりしだいバンド活動も再開や」
「そうなの···しっかりした目標があるのね。
武蔵野大学に行ってるのね」
「家から歩いて行けるのが有り難やでござる。
南風さんはどこに行ってるの?」
「あたしは東京理科大の工学部」
おぉ、自分が絶対的に避けて通った理系や。
数学に関しては嫌いじゃないんだけど物理とか化学ってのがさっぱりや。
「工学部って女子って少ないのでは?」
「そうよ、ほとんど男子校みたいな感じ。
8割くらいは男子じゃないの?」
やっぱりそうなんだ。
じゃ、南風さんはモテモテかね?
せっしゃとは正反対や。
「そういえば何学部なの?」
「あっ、文学部。
ほとんど女子校。
てっいうか城桜高校とおんなじような感じ。
ところでクラブ活動は?
なんか入った?」
「それは迷ってるの。
それよりもアルバイトしてお金を貯めようかな〜って。
だから高額アルバイトを探してるとこ」
「そんなに稼いでどうするの?」
「えっ、留学、アメリカ留学したいから」
お〜っと、ここで留学。
しかもアメリカ。
廻琉は海外に行ったことがない。
それは両親が公務員だからだ。
公務員が海外に行く場合、所属している地自体へ海外渡航申請をしなければならない。
休暇の承認を受けて旅行先、緊急連絡先、日程、旅行目的(私用、観光など)を提出しなければならない。
そういった手続きを面倒臭がって嫌がってるのがおとんだ。
そういった事情でおとんが消極的になりすぎるから外国への旅行経験がない。
反対に碧色叔父さんの家族はフラッとタイに行ったりイタリアに行ったりしている。
今さらなんだけど叔父さんの旅行に便乗すればよかったと思っている。




