3-5
残念ながらなんだけど、同じクラスにいたからとい
って全員と親しいというわけではない。
そこは相性があったり好き嫌いがあったりして距離をおいてたりするケースもある。
いま声をかけてもらった南風空詩もそんな中の1人だった。
高校在学中はそれほどの接点がなかった。
「なんか意外な場所で···お久さです」と廻琉はペコリ。
「久しぶりといっても卒業してから2ヶ月くらいよ。
あなたは、ぜんぜん変わってないわね」
そりゃそうだ。
2ヶ月ほどでそう簡単に変わるもんじゃない。
メイクもしてない。
髪の毛もそのまま。
今年に入ってから美容院に行ってない。
最後に行ったのは昨年の10月くらい。
7ヶ月くらい行ってない。
だから髪の毛伸び放題。
別に伸ばしたいわけじゃないんだけど。
「南風さんはちょっと変わったかね?
なんか落ちついた感じやね」
髪の色から足元までマジって見てしまう。
学校以外では会ったことがなかったんだけど、制服姿じゃなければもともとこんな感じの人やったんやろか?
なんかグッと年上のような雰囲気を醸し出してる。
1週間前やったら気にせんかった。
大学デビューに目覚めてからはオシャレには敏感になっちょるね。
「ところで、本は見つかった?
熱心に見てたようだけど」
おぉ、ということはちょっと前からジ〜っと見られとったちゅ〜ことか。
どうせならもっと早く声をかけてくれたらいいのに。
「う〜んって感じ···
それよりもオシャレなカフェにでも行く?」
まぁ、時間もあることだしかる〜い感じで誘ってみた。
実のところあまり話したことはないんだけど。
反対に南風空詩のほうは廻琉に興味を持っていた。
その存在自体がわりと目立つタイプだからだ。
悪い意味ではなく言葉使いから始まって我が道を行くっていうその姿勢などもだ。
ひょっとすると南風空詩だけがそう感じているのかもしれないが。
とにかく書店から出てチェーン店のカフェに入った。
お互いに連れがいなかった。
「そういえば、バンドはどうなってるの?
文化祭で見たけどまだ続いてるの?」




