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注文したものが運ばれてきた。
じいちゃんはホットコーヒー。
廻琉はクリームソーダ。
この寒いのに冷たい飲みものをストローでチュ〜だ。
廻琉は、はてどうしようかと思ってる。
高校は卒業のみ。
大学の入学式は4月の3日だ。
およそ1ヶ月ほど暇になってしまった。
ボ〜っとしてるってのもなんだかなぁって感じだ。
アルバイトして稼ぐかね?
家に戻ってからラインやメールやらで忙しくなった。
クラスのみんなは就職も進学もそれぞれが決まったようである。
で、ラーテルのメンバーはというと五百蔵は前から言ってたMI東京という音楽の専門学校に決まった。
伶蕗は法政大学への進学が決定。
羽田だけはまだ未定だった。
廻琉は伶蕗に電話してみた。
こんなお昼の時間に出てくれるだろうかと思ってたらあっさりと声が聞こえた。
「え〜とでござる。
卒業式が終わって入学式までって1ヶ月くらいあるじゃない。
その間ど〜するの?」
「予定としてはね、旅行があるんだけど···
といっても祖父の家がある名古屋に2〜3日かな?」
「へ〜そうなんだ···
で、その他には?」
「特にはないんだけど、ど〜しようかなって···
そっちはど〜なの?」
「せっしゃ、暇でござる。
日曜だけはバイトでござるが···」
「あぁ、吉祥寺の···」
「それでね、暇にしてても暇だから入学式までは短期のアルバイトをしようかと思ってるんでござる」
「あぁ、吉祥寺のあの店で···」
「いや、そうじゃなくって、他で···」
「ふ〜ん、やれば···」
「いや、そうでもなくって、アルバイトを一緒にやらんかねってことでござるよ」
「え〜っと、それはアルバイトのお誘いかね?
どこで?
いつから?
給料はいくら?」
「いやいや、まだなにも決まっておらんよ。
これからちゃちゃっと見つけて稼いでおこうかな〜って」
するとフフフッと笑う声が漏れた。
その含み笑いの答えを教えてもらった。
すでに見つけてはあると言ってる。
大学生になってもドラムは続けていく。
新しいドラムを買うための資金が必要なのだよということだ。
いま使ってるのが8万円ほどで親に買ってもらったもの。
音的にはちょっと物足りなさがあるようだ。
より良い音が欲しくなった。
それだけ伶蕗のドラマーとしての腕が上がってきているということになる。
「それは、まだ決まってない?」
「申し込みはするつもり。
期間は3月いっぱいまで」




