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飲食店としての営業はなんのトラブルもなく終わった。
さぁ、いよいよイベントのお時間。
廻琉は裏の休憩室で待機。
相楽さんと清水さんは帰ってしまった。
しなばらくすると小百合叔母さんがサンドイッチと飲みものを持ってきてくれた。
「簡単に作った夕ごはん。
つまんで」
「ありがとでござる。
今日は見ていくんですよね?」
「そうよ、あのヒット曲も聴きたいし、それにこの店では珍しいでしょ。
清水さんたちは帰っちゃったのね。
滅多にないことなんだけど···」
「それは仕方ないですよ。
清水さんには家族が待ってるし、相楽さんはレポート提出で忙しいし···」
「あら、あなたはいいの?
受験生なのに」
「それは···仕方ないです。
こんな機会じゃないと見れないじゃないですか。
チョ〜有名人ですよ」
この店でのイベント出演者はアマチュアからセミプロまでの人たちがほとんどだ。
今回のような全国的に知られる有名人が出演してくれることはそうそうあることじゃない。
武蔵野市の武蔵境出身ということ、まだ売れてない時に普通にお客さんとしてのこの店に来たことがあったらしい。
そしてイベントとして出演できることを知って一度出てみたいということで実現した。
所属事務所側から出演したいと連絡を受けた碧色叔父さんは、最初は詐欺なんじゃないかと疑ってしまったらしい。
イベントが始まる12分前におかん、8分前にばあちゃんとじいちゃんまでがやってきた。
お客さんは満席状態。
入れなかったファンの人たちからどうしてもと泣きつかれて急遽立ち見ということならと15名を追加。
立ち見で気の毒だからってことで千円割引で2,000円ということになった。
この日の主役の大館あみさんは店の裏側の休憩室にいる。
ここで着替えやらの準備を行うことになる。
ひっくり返りそうに驚かされることになったのが廻琉。
廻琉がボ〜っとしてた時にいきなり本人が入ってきたからだ。
マネージャーの人も一緒だったが、とにかくおったまげた。
それは小百合叔母さんも同様だった。
そして廻琉とともにお世話係まで担当することになった。
大館あみさんはチョ〜有名な演歌歌手なのに気さくで良い人であった。
大館あみは演歌歌手でもあり俳優としても活動している。
テレビでの刑事ものドラマでは女性刑事としてアクションも熱演している。
そしてドラマの主題歌も担当していてヒット曲になっている。
「漆黒」は演歌ではなかったが初のヒット曲になったばかりだ。
まだ30歳なのでこれからは演歌でもヒット曲を出したいと精力的に活躍している。
さすがに廻琉でさえ知ってるくらいだから全国的に知名度も高いに違いない。




