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「この曲···
歌うのなら廻琉のほうが良いでしょうね。
こういった曲ならしゃがれ声の廻琉が迫力のある歌声になるでしょう。
それで、しゃくれて歌えば新垣しゃくれになってしゃがれた声で歌ってくれます。
芸名は新垣しゃくれです」
ふふっ、焦ってるね、伶蕗ちゃん。
せっしゃがあまりにもロックバンドな曲を持ってきたからね。
野々さんが作る曲とはかなり方向性が違う曲や。
ロック系として作ったんだけど聴く人によってはパンクっぽくもなるのかね。
「この曲は次回やってみましょう」と言って動画をコピー。
楽譜は写メで撮る。
これで野々さんと伶蕗に曲を渡すことができた。
次は伶蕗が作った曲。
USBで持ってきてる。
いったいどんな曲をと耳を澄ませてノートPCから流れてくる音を待った。
流れてきた音。
ちょっと意外な曲。
激しい曲ではなかった。
バラードっぽい日本の王道のような曲。
ピアノのコードだけ叩いてその上に伶蕗の歌。
3人は曲が終わるまで黙って聴いていた。
時間にして3分ちょっと。
「野々さん、どうです?」
伶蕗にしては珍しくちょっと恐る恐る訊いている。
さすがに気になるようだ。
「ピアノだけでも成立するね。
他にはドラム、ピアノ、ベースでの演奏。
ギターソロなんかもあったらよいかも」
「えっ、えぇっ、ちょっと待ってでござる。
そうするとドラムとベースは固定になるじゃないですか。
ピアノは誰が?」
野々さんと伶蕗がキッとなって廻琉を見つめる。
「いやいや、せっしゃ、ピアノなど弾けんでござる。
それに侍は禁止されておるのでござる」
「誰にや?」
「と、殿様にじゃ」
「殿様って誰や?」
「殿様は、殿様はなぁ。
と、と、徳川玄之新やぁ」
「誰や、それは?
知らんねぇ」
はいはい、まぁまぁって間に入ったのが野々さん。
「そういえばベースを弾けるのよね。
それなら、この曲でベースを弾くっていうのもアリかもね。
そしてギターに持ち替えてソロを弾くって変測定な演奏も面白いかも」
「するとピアノは野々さんが?」
野々さんは鍵盤もできる人。
クラシックやジャズとなると難しいがかなりの腕前である。
さらにデジタル系にも強いのでシンセサイザーも使いこなすしプログラミングまで独りでできる。
廻琉もかなり興味がある。
将来的にはデジタルロックの音も作ってみたいと思ってる。
でもまだだ。
今はできることからやっていこうって感じだ。




