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妖怪

この世には、妖怪という存在がいる。


ほとんどの人が認知出来ていないが、妖怪という存在はきちんとこの世に存在している。


妖怪というのは、人間の理解を超えた奇怪な現象や、それらを引き起こす科学的に説明できない存在の総称のことを言う。


原因不明の病気や悪夢、金縛りなどは妖怪のせいだ。筋肉の痙攣やなにかの病気だと言われているが、それは妖怪のせいだ。


そんな妖怪は、元の世界だけでなく、この世界にも存在している。


ただ、その存在をだれも認知できていないだけだ。そして、そんな妖怪は凱人の家の近くにも存在していた。


今日も今日とて刀を作っていた凱人は、暇つぶしとして家の周囲を探索していた。


見たことのない木の実やきのこを集めながら探索していた。そんな時、ふと悪寒がして、その方向を見ると明かりの入っていない洞窟があった。


いつもなら入らない。しかし、暇つぶしとして探索していたからか、好奇心に突き動かされ洞窟に入っていった。


「つい入ってきたけど、見る限りなにもないですね。」


普通の洞窟のように見えるが、決定的に違うことがあった。それは、人工的な階段が作られていたことだ。


古びて苔や崩れた岩によって隠されているが、確実に誰かの意図によって作られたものだった。


その階段を下っていくと、突然階段横の壁に立てかけてある松明が、煌々と輝き始めた。


「やっぱり人工的なものでしたね。」


そうして階段を下っていくと、大きな扉の前が目の前に現れた。


ギギギ。とした音とともに、太陽の光に照らされた鎖に繋がれた一本の刀が地面に刺さっていた。


「刀…ですね。それに、結構な業物ですね。ナナシには届かないものの、私の作ってるものよりも断然いいものですね。」


地面に刺さっている刀は四方に杭が刺さっており、その杭から鎖が出ており刀を包んでいた。


「絶対に触れちゃいけないやつですよね、あれ。」


そのまま踵を返して、家に帰ろうとすると、どこからともなく男の声が響いてきた。


「おい、そこの小僧。」


「ん?私ですか?」


「そうだ、お前だ小僧。」


「どうしたんですか?」


「ちょっと頼みたいことがあってな。この鎖を切ってくれないか?」


「いやぁ、でも…。なんか、関わったらヤバそうなんですよね。まぁ、いいですよ。」


そうして、異空間から刀を取り出し、勢いよく振り下ろした。


ガギンッ。という音とともに凱人の持っていた刀が真っ二つに折れた。


「かった!?結構良いやつだったと思うんですけど。」


「あぁ、その刀じゃ無理だろうな。」


名の知らぬ声の主が言うには、1000年ほど前に封印された際の鎖らしい。それに加え、時間が経てば経つほど、封印の威力が高まっていくらしい。


「うぅ~ん…。」


今使ったのは、レベル7ほどの刀で、だめだとしたら最高品質の刀しかない。


「使いたくわないですけど、しょうがないですね。」


最高品質の刀を取り出し、鎖に向けて刀を振り下ろした。


先ほどより少し軽めの金属音が鳴り、一本鎖がちぎれた。


「これなら切れますね。」


そのまま、残りの3本の鎖も切った。しかし、切るために使った刀にひびが入った。


「せっかくの最高品質の刀だったんですけど…。」


「すまないな小僧。まぁ、感謝する。」


先程まで周囲から聞こえてきたはずの声が、刀を中心に聞こえてきた。


「え?刀から?」


「あぁ、そうだったか。」


そう言い、刀が煙を発し、人型に変化した。


「すまないな。封印されてたせいか、人型に戻れなくてな。さて、封印を解除してくれたことに感謝はしている。感謝してはいるが、この世に顕現したのは久しぶりだからな。御人よ。酷ではあると思うが、少々手合わせをお願いしよう。」


そう言い、先程までの姿であった刀を構え、衝撃の名乗りを上げた。

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