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第6話:みっともない土下座

 「俺も、ここで生きるために、迷宮を探索したい!だから、フェイ!一緒にパーティーを組んでくれないか!」


 私の熱い宣言に、フェイは「えっ……」と困った顔をした。 そして、

 言いにくそうに躊躇をと、ぽつりと宣言した。


 「……ダメです」


 「えっ、即答!?」


 「陽さんは……弱いから……すぐに死んでしまいます……」


 フェイ!もうちょっとオブラートに包んで!?

 確かに、今の俺は何もできないけども!


 「そ、そんなこと言わずに! 俺も頑張るから!」


 「……ダメ、です」


 か、硬い! 彼女は鋼のように硬い!!


 「じゃあ、俺はどうやって生きていけばいいんだ!」


 「えっと……迷宮探索以外のお仕事もあります……荷物運びや、鉱石の採掘、あと……酒場のお皿洗いとか……」


 「お、お皿洗い……」


 異世界に転移して、お皿洗い……?

 いや、生活できるなら全然いいんだけど……


 「……まぁ、それもアリか……」


 しかし、その瞬間——


 視界が、真っ赤に染まった。


 「なっ……!?」


 赤い靄が、徐々にと広がっていく。

 それも尋常じゃない濃さで、周りを包み込むでいく。


 嫌な寒気の背筋を這い上がる。


 ——これは、命の危機の予兆。


 もしかして、このままお皿洗うなんて生ぬるい選択をしたら……俺、死ぬのか!


 「……フェイ……」


 彼女の肩を掴んだ。


 「……ひ、陽さん?」


 「頼む……」


 「えっ?」


 「頼む!! 一緒に迷宮に行ってくれぇぇぇぇ!!」


 俺はガバッとフェイの足元に飛び込み、床に頭を擦りつけた。


 「何をしているのですか!?」


 「俺も迷宮に行きたいんだぁぁぁぁぁ!!」


 ギルド内に、俺の絶叫が聞こえる。

 あたりの冒険者たちがザワザワと俺たちを見ていた。


 「おい、あいつ土下座してるぞ……」

「小さい子相手に恥ずかしくないのか…」

 「なんて綺麗な土下座なんだ……」


 うるさい!人の生き死にがかかっているんだよ!!


 「お願いします!俺も迷宮に連れて行ってください!!」


 「ちょ、ちょっと、頭をあげてください! やめてください!!」


 「フェイ!! 俺にはしか君がいないんだ!!!」


 「そ、そんな急に重たいこと言われても!!!」


 顔は真っ赤にして、周囲をキョロキョロと見回す。


 「も、もう分かりましたから!! 一緒に行きますから!!」


 「ほ、本当に!?」


 「だから早く立ってください!!!」


 俺は弾かれたように立った。


 「やったぁぁぁぁぁぁ!!」


 ガッツポーズを決める私を見て、フェイは無視したため息をついた。


 「……あの……とりあえず、お試しで組みましょう。向き不向きもあると思いますので…」


 「わかった!頑張るよ!」


 俺は満面の笑み返した。


 お試しでもフェイとパーティーが組めた!

よくわからない赤いモヤも晴れたことだし俺の異世界生活が始まる!

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