第3話:異世界で初めての料理
自信は…あまりない…
俺は元々、料理が得意だ。家に両親がいない時間が長い為、必然的に料理をする機会が多く、人並み以上に料理が上手くなった。
だが、魚を捌いたことはあるが…流石に兎を捌いた経験はない…
とりあえず兎の前に来たが、手が重い…なんで魚なら捌けるのに兎を捌こうとするとこんなに抵抗感というかグロさを感じるのか…
ハー、やりたくないな〜
フーと息を吐き大きく息を吸い、丸まった背中を伸ばした
「よし!当たって砕けろだ!」
改めて兎を見ると、兎はとても大きく自分の半分くらいの大きさもある。全部捌かなくても後脚の一つでも十分だろう。彼女からナイフを借りた。
まずは足先から根元まで皮を一直線に切り、切った部分から皮と肉を分離していく。自分が下手なのとナイフの切れ味が良くないせいか肉がボロボロになっていく。
足の皮が剥ぎ終わったら足の付け根に刃を入れ胴体と分離する。
フン!と力を込めて骨の関節を切る。
後脚を一つ解体出来たが、これでも多いな…
筋肉の繊維に沿って切れば小さく分けれるだろう。これなら鶏肉を捌くのとあまり変わらないな。
さらに肉を捌き終わった。次に、火を用意しよう。
「お腹空いているところ悪いけど火をつけてもらえないかな…」
「は、はい…わかりました…」
適当な石を組み簡単なカマドを作り、そこに落ち葉と兎の脂肪を入れた。そこに魔法を使って火を起こしてもらい、薄くて平な石を水場で洗いカマドの上に置いた。
石が厚くなる間にナイフを水で綺麗にして、肉を薄く切ってそれを大きめの葉っぱに盛り付ける。
「出来た!兎の焼肉!」
肉を熱した岩の上に置くとジュワッと音が鳴り肉汁が滴る香ばしい匂いが漂った。
「おお……」
フェイが思わず息を呑む。
「食べてみる?」
葉っぱに焼けた肉を移し、分けて貰った塩を肉にふりかけ彼女に渡した。
彼女は少し渋った様子だったが空腹には勝てずおずおずを肉を食べた。
次の瞬間——
「おいしい……!」
ぱあっと顔が笑顔になった。
その姿を見て、俺は少しだけ安心する。
彼女が美味しそうに食べている姿を見て自分も一つ食べてみる。肉を焼いただけ…それも味付けは塩だけ、獣臭さもあったが高級な焼肉にと同じくらい美味しく感じた。




