第2話:魔法使いの少女
「うおっ!?」
慌てて身を反らすと、俺のいた場所に何かが跳ねた。
よく見ると、それは大きな耳を持つうさぎのような生き物だった。いや、普通のうさぎではない。
目は赤く爛々と輝き、鋭い牙が覗いている。
俺を喰おうとしているのか!?
後ずさるが、足がもつれる。終わった。そう思った瞬間——
「——《ウィンドカッター》」
鋭い声とともに、俺の目の前を風の刃が通って行った。
風の刃は一直線にうさぎ型の魔物へと飛び、その体を切り裂いた。
「……え?」
声のする方には一人の少女がいた…
少女は幼く小学生ぐらいの身長だった。身なりは汚れていて全体的に薄汚れた様相だった。髪は鈍く光る白銀の髪を長く伸ばし、肌はアルビノの様に色素が薄い。前髪が無造作に伸びていて見えにくいが、目に正気が感じられなかった。しかし、その瞳は引き込まれそうな真紅の色をしていた…
彼女の瞳に魅入られていると赤く染まった目が次第に青色に変わっていった…
彼女がこちらに振り返り俺をじっと見つめた後、小さく呟いた。
「……大丈夫?」
「あ、ありがとう……助かったよ…今の凄いね君、魔法使い?」
「……うん」
少女は頷き、ふと顔を伏せた。
その瞬間、ぐぅぅぅ……と、お腹が鳴った。
「……お腹、すいた」
恥ずかしそうに呟く少女。
そんな彼女を見て緊張が解けた…
魔法を使ったことでお腹が空いたのかな?
彼女には大きすぎるメッセンジャーバックの中をゴソゴソ探るが、食料が無かった様だ…正気のない目が死んだ目に変わっていった…自分も食料がないかポケットを確認してみたがスマホ、財布とレシートぐらいしか無かった。
どこかに食べれそうなものはないか!
周りを見回しても硬そうな岩肌と所々に雑草、水場があるだけ、諦め掛けた時に兎の怪物から緑色のモヤがかかっていた…
緑色のモヤなんて毒ガスのイメージいかなかったけどこのモヤからは嫌な感じがしない…それどころか安全な感じまでする…
これ…食えるのか?
「ねぇ…これって食べれるかな…」
「た、食べてる人もいる…と、聞いたことがあります…わ、私はどうすればいいかわからないです…す、すみませ…」
「お、怒ってないよ!大丈夫! お腹すいてる様だったから食べるものはないかなと…」
「だ、大丈夫です…我慢できますので…」
ぐぅぅぅ…と彼女からまた可愛い音がなり、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら俯いた。
命を救ってもらった恩を返す為にここは頑張って美味しいものを作ってみよう‼︎




