第12話:焼き鳥!
ー第3層ー
「そうだ!フェイ……これ、どうすればいい……?」
「はい!この魔物の爪とトサカは高く売れるので、剝ぎ取りましょう…」
俺はナイフを取り出し、グランポッロの大きな爪を一本ずつ切り取っていく 。
「よし、これで戦利品ゲットだ!」
素材を鞄にしまって、フェイを見るとお腹を押さえている。
「……フェイ、お腹空いてる?」
「……はい……」
顔が少し赤くなっている。
魔法を使ってお腹が空いたらしい。
「なら、奴を食べようぜ!」
「えっ……食べる?」
「ああ! 前に食べた兎型の魔物も美味しかったし、このグランポッロもきっとイケるはずだ!」
フェイは少し驚いたが、兎型の魔物の味を思い出したみたいだ。
「……分かりました。お願いします……」
ー1層ー
俺たちはグランポッロの片脚を解体して、強い魔物がいない1層まで戻り安全な横穴を見つけた。
そこは天井に小さな竪穴もあり、焚き火をするにはちょうどいい場所だ。
「ここなら安全そうだな。よし焼鳥を作るぞ!」
グランポッロの片足を取り出し、ナイフでサイコロ状に解体していく。
採取したローズマリーとタイムをナイフでみじん切りにして、塩と火で溶かした魔物の油と混ぜる。
混ぜた油を肉に揉みこむ。
落ちている枝の表面をナイフで削り、その枝に肉を刺す。
焚き火を起こして、その周りに肉を刺していき、遠火で火入れをする。
ジュワッという音とともに、香ばしい匂いが立ち昇り、ローズマリーとタイムの香りがふわっと漂った。
「よし、これで……焼き鳥の完成だ!」
「うおお……すげえいい匂い……!」
肉がいい感じに焼けたところで、串をフェイに手渡した。
「どうぞ、フェイ。一番乗りだ!」
フェイは少しおずおずと焼き鳥を口に運んだ。
「……お、おいしいです……!!」
頬を膨らませながら無心で焼き鳥を食べる。
俺も一口かじってみる。
「うまい!!」
グランポッロの肉は少し弾力があり、鶏肉よりも濃厚な味わいだ。
ローズマリーとタイムの風味が肉にぴったりで、焚き火で作ったとは思えない程、上質な焼き鳥が完成した。
「これ、マジでいけるな……!」
「陽さん……お料理、上手ですね……」
「ははっ、こう見えて料理は得意なんだよ!」
俺たちはその後も焼き鳥を食べ続けた。
気づけばあっという間に片足を平らげていた。
………
「いやあ……こんなに美味しいとは思わなかったな。」
戦って、勝って、食べて……異世界生活に不安があったがフェイといれば何とか生きていけそうだ。
「陽さん……ありがとう、ございます……元気、出ました……」
フェイが少し照れながらそう言った。その
笑顔を見て、俺も思わず笑顔になる。
(この世界で生きるってのは、案外悪くないかもしれないな……)




