第10話:地味な採取と大きな鶏!
第10話です!
ー第1層ー
冒険に一歩足を踏み入れた俺はフェイに問いかけた。
「で、フェイ。俺たち、今日は迷宮で何をするんだ?」
「薬草を集めます。1層から3層までの安全な場所で薬草を取りに行く予定です。」
「……薬草?」
「はい、迷宮の薬草は薬やポーションを作る材料で、迷宮外のものよりも効果が高くなります。最下層の100層近くになると欠損した四肢を再生可能なものもあるとの噂です。」
フェイが真面目な顔で説明する。
華々しい魔物退治じゃなくて、薬草採取……地味すぎる……
迷宮と言えば剣と魔法のバトル、魔物を倒して宝をゲットするイメージだったのに……!
想像していた俺の異世界生活が、あっさりと地面に叩きつけられた。
「……えっと、魔物とかは?」
「はい、魔物もいます。でも…一日に魔法が打てるのは2~3発ですので、危険な時にしか使えないです…なので、迷宮では薬草等の採取をしてます。」
俺はがっくりと肩を落とした。
(いや、地道な作業も大事だよな……生きていくためには必要だし……)
言い聞かせながら、フェイについていくことにした。
ー第2層ー
迷宮の1層から2層まで降りると、岩壁の隙間や薄暗い場所に薬草が生えていた。
「これが薬草です。柔らかい葉っぱで、独特の匂いがしますよ。」
フェイが小さなナイフで丁寧に薬草を摘み取ります。
私も隣で手伝うことについて。
周囲の床を眺めていると……
「ん?これ、ローズマリーじゃないか?」
「すげえ、こんなところにハーブが……!」
「……ハーブ?」
フェイが不思議そうに首をかしげる。
「これ、料理で使う香草だよ。肉料理とかにすごく合うやつ!」
「そう、なんですか……初めて聞きました……」
前みたいに魔物を食べる機会があるかもしれない、取っておこう♪
2層での取材を終えて、俺達は3層へと降り立った。
ー第3層ー
3層の近くに近づくと橙色の靄が微かに漂っていた。
まただ、もしかして前みたいに魔物がいるのか…
「フェイ、もしかしたらこの先に魔物がいるかもしれない。慎重に行こう…!」
「はい……」
道の先を注視して足を進めていくと、前方に動く影が見えた。
「なんだ、あれ……?」
影はゆっくりと動いている。
俺たちは岩陰に隠れながら話しかけてみました。
そこにいたのは——
「鶏?にしては大きすぎるぞ…」
体長1メートルほどの巨大な鶏型の魔物が、ゆっくりと床をつついていた。
その鋭い目と大きな爪は、ただの鶏ではないことを物語っている。
「陽さん……あれは『グランポッロ』です……」
「グラン、ポッロ!?」
「薬草の量がまだ足りませんが…2層に戻りましょう…」
「だったら、あいつを倒さないか!あいつはこちらには気づいてないから奇襲が可能だ!」
「残念ですが、1回の魔法では厳しいです…最低でも2回は当てないと…」
「なら、俺が時間を稼ぐ!何秒あればいい!?」
「危険です!魔法の準備には10秒もかかります!」
「たった10秒だろ!それぐらいなら俺が何とかする。盾もあるんだから大丈夫だよ。
それに危なくなったら直ぐに逃げよう…」
「 ……… 」
「分かりました……危なくなったら直ぐに逃げてくださいね…」
「ああ、」
正直言うと怖い…………手が震える………ここに来て魔物に襲われたことを思い出す…
グランポッロぐらいの大きさの動物は動物園でも見たことはある……
だけど、それは檻に入れられて安全だと分かっていたからだ。
今はその檻がない…今まで檻によって届かなかった嘴か爪が届く位置にくる!
その一撃をもらえば死ぬかもしれない…
それでも…!フェイが魔物から守ってくれたんだ!パーティーに入れてくれたんだ……!
俺はその恩に報いたい!この危険な世界で助けてくれた女の子に!
次回は初戦闘です!




