能力暴走
用語解説
鮮血の死神
赤道玲のマフィア時代の異名である。
赤道玲は、殺意の籠った一言を目の前の化物に放った。
「…そっちがその気ならこちらも全力で行かせてもらう!」
しかし、彼は内心焦っていた。
なぜなら目の前の敵に、少し恐怖しているからだ。
化物…神谷敦だった彼の末路。
赤道玲は、変わり果てた彼の姿を見て、一つ、昔に習った言葉を思い出す。
「…食物連鎖の頂点」
「ニンゲンゼンブ…グゥ!」
化物が一瞬にして、玲の眼前まで移動する。
「(まずい…!)」
玲は血液の顎を両腕から一気に後ろに向かって射出し、壁に引っ掛け、そのまま、自分もパチンコの要領で移動する。
「ギギギぎ!」
「(またか!上に引っ掛けて上の階に移動したいが間に合わん!なら…)」
玲は化物の攻撃を掠めるように回避する。
「(また一つ!)」
そのまま、顎を天井に引っ掛け、三角飛びの要領で壁を蹴り、外へ出た直後に天井の顎を外し、2階、3階、4階とどんどん上の階に登っていく。
その姿はまるで猿のようだった。
しかし化物は壁に張り付きながら、移動してくる。
「…爬虫類の遺伝子!」
玲の判断は当たっていた。食物連鎖の頂点すら上回る存在となった敦の能力は、人を喰らう以外に一つ!新たな能力を手にしていた。
…自分が食べたものの遺伝情報を応用し、利用する力だ。現在彼が使用しているのは、イモリの遺伝子。ストリートチルドレンだった敦が幼少期の頃、よく食べていたものだ。
敦だった存在は玲を追って4階に辿り着いた。
「…そんなに俺を食べたいか?」
「ニンゲンゼンブ…食う!オレのシンガのタメ!」
「分かった…食え」
7階から蓮馬は様子を伺っていた。丁度、マンションの住民を避難させたところだ。
「(何を言ってるんですか!)」
化物はゆっくりと歩み寄る。目の前の1人の人間に…
「シンガデキル。オデモ」
玲はゆっくり目を閉じる。
「さよなら」
ブシュ
化物の爪が玲の腹を貫いた。
「赤道さん!!」
蓮馬は思わず、その場に駆け寄ろうとする。
「勝手に殺すなよ…」
「グギ?!?」
玲の腕の顎が…動き出す。
そしてそのまま…
「グギャー!!」
顎が化物を喰らっていく。
「一時的措置だ。そこで寝てろ」
「赤道さん…」
「とりあえず終わった。一旦部屋に戻るぞ」
そう言いながら振り返るとそこには、信じられない人物が立っていた。
「久しぶりだね。赤道君」
「…首領何でここに?」
「君と、そして彼と話したくなってね」
「渡しはしませんよ」
「分かってるよ。事情を少し話すだけだ」
「…分かりました応じましょう」
いよいよマフィアのボスが姿を現しました。
次回「交渉」




