捕食者(イーター)
銃声が辺りに響く。
「一旦2人のいる部屋に行く!」
すでに部屋の中は弾痕だらけになっていた。
玲は扉を開け、部屋に入る。
蓮馬もその後へ続く。
「無事か?」
「一応。ただ彩香が…」
彩香は小刻みに震えていた。
「お兄ちゃん…怖いよ…」
「どこだ!赤道玲!埋める者を渡せ!」
「マフィアもしつこいな。それ程に蓮馬が欲しいのか」
「まずは周りから乱射してくる敵を潰さないとですね…」
「分かった。それはお前に任せる。能力を発動するために…思考しろ」
「はい!」
蓮馬は扉を勢いよく開け、部屋を出ていった。
「二人はここにいろ。室内の敵は俺が排除する」
蓮馬が開けた扉から、玲は台所に飛び込む。
取ったのは包丁。
そのまま自分の腕に沿って両腕に傷をつける。
傷口から血液が射出される。
そのまま、廊下の扉を開けると、マフィアの構成員およそ5人。残りは外で待機しているのだろう。
「俺はここだ!」
構成員が玲に向かって銃を乱射する。玲は、自分の腕の血液を盾のように展開し、銃弾を防ぐそのまま玄関を開けて走り続ける。するとそこには…
「久しぶりですね…赤道玲」
「…敦か」
「覚えててくださったんですか。しかし、今は思い出話をする暇はないんです」
「…埋める者蓮馬を捕獲するためか」
「邪魔をするならあなただろうと…喰らいますよ」
敦の歯から長い牙が生える
爪は異常なまでに伸びていた。
「…近くで起きた殺人事件の犯人はお前だったか…」
「えぇ。丁度お腹が減ってしまいまして。普通はこんなことにならないように、外出前に食べていくんですけどね…我慢できずに食べちゃいました」
「随分残酷な能力を手にしちまったものだな」
「…そう、です、ね!」
敦が飛び込んでくる
(速い!一歩の踏み込みだけでここまで!)
玲は敦の長い爪による攻撃を首を曲げて回避する。が、玲の右頬には、鮮血の一閃が出来ていた。「…身体能力も強化するか」
しかし、玲の能力は…
「一つ!攻撃手段が増えた…」
玲は右頬の血液を射出する。
そして、血液の盾を展開していない方の腕の血液で獣の顎のような形を作る。
同時に、右頬も同じ工程を踏んで、同じものを作り出していた。
「行け!」
玲は敦目掛けて二つの顎を放つ。
敦は片方を牙で噛み砕き、もう片方を爪で削ぐ。が…
「!!?」
噛み砕いたはずの顎が、左肩を貫いていた。
「俺の能力は、即時展開が可能だと昔教えたはずだが?」
玲は呆れたようにため息を吐く。
「悪いが捕まってろ」
血液を顎の形から直し、触手のような縄で拘束する。
「赤道さん!」
「無事だったか。成功したか?」
「はい。何とか…」
表情から察するに相当体力を消費したのだろう。
「赤道さん…アンタ昔教えてくれましたよね?」
「何をだ敦」
「強者が弱者を追い詰めすぎると、弱者が反発し、逆に強者を追い詰めると…」
敦は左腕に注射器のようなものを手にしていた。
「…それを手放せ」
「私はまだ捕まる訳にはいかんのですよ。だからあなたを殺してでも逃げます」
「赤道さん…」
「…警察に応援を要請しておけ」
「わかりました」
蓮馬はそのまま走り去った。
「…やめろ。それを打つな」
「敵に同情ですか。そういうところが嫌いで仕方なかったんです……さよなら」
「やめろぉぉぉぉ!!」
敦が注射器を首に刺した
…すると
「ぐギギギ…グギャー!全部クウ…ニンゲンオマエらゼンブ」
「…分かった。そっちがその気なら…全力でお前を殺す」
暴走した捕食者VS鮮血の死神!
次回「能力暴走」




