04治癒魔法
学園のやすみ時間、急に昨夜のことを思い出したミアはシアの席へと急いだ。
「シアちゃん」
「どしたの」
「昨日ね、アリカちゃんに治癒魔法教えてもらった」
「すごいじゃん」
「傷ない?」
「ない」
「じゃぁ使えない」
「だめじゃん」
周りをきょろきょろ見回すと、すぐ近くにいたゴーストの生徒が片目を眼帯で隠している。
半透明な彼女の前にニヤニヤしながら顔を近づけるとミアは口を開いた
「ねぇジモラちゃん」
「え、わたし? 何かよう?」
「その目治してあげる」
「ミアちゃんそんなことできるの」
「できる。昨日アリカちゃんに教えてもらった」
「すごーい。お願いしようかな」
「まかせて」
人差し指に青い光を灯し、そっと息を吹きかける。
光は粒子になって眼帯に降り注ぐと張り付いてゆっくりとジモラの中へと溶けていく。
「なおった?」
半信半疑で眼帯を外すとそこには灰色の瞳が輝く。
「わ、見える」
「なおせたー」
「ミアちゃんありがとう。お礼に……これあげる」
ポケットから取り出したのは半透明の青い葉っぱである。
「ゴーストリーフだよ」
「わーい! ありがとう、いただきます」
受け取ったゴーストリーフをそのまま口に放り込むとガムでも噛むかのようにモチョモチョと咀嚼しはじめるミア。
「あ。それ食べ物じゃないよ。水に溶かしてお茶にするんだよ」
「食べちゃった。だから味が濃いんだね」
「あんたなんでも食べるんじゃないわよ」
とシアが突っ込みをいれるが、咀嚼を続けていたミアは喉を鳴らしてゴーストリーフを飲み込んだ。
「水飲んだらお腹の中でお茶にできるかもしれない」
「飲む?」
ジモラが再びポケットから水の入ったボトルを取り出すと、ミアは一口水を飲み込んだ。
飲み込んだ水がお腹の中で混ざるように腹をさする。
「お茶になった気がする……!」
「よかった。でも、次はちゃんと水に溶かして飲んでね」
「うん、そうする。そうだ、今度ジモラちゃんのお茶と私パイ持ってくるから皆でティーパーティーをしよう」
「じゃぁあたしチョコを持ってきてあげるわ」
「今度もっとゴーストリーフ持ってくるね」
「アリカちゃんにいっぱいパイ作ってもらう」
きゃっきゃいいながら話は盛り上がったがチャイムの音がそんな少女たちの話題を無理やりに終わらせると、教室にはいかにもなドラキュラ先生が教科書を片手に教室へと入ってきた。
「えー、今日の闇魔法学ですが……」
生徒たちが黒板に書かれた字をノートに書く音が響き始める。
そんな中、ミアは一人ノートにティーパーティーでしたいことをノートにつづりはじめた。




