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エリミネアー世界の敵を排除するー  作者: AtoRei
序章「産まれない事が救いだった」

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第6話「未熟な継承」―兄の剣―



咀嚼(そしゃく)する音が続く。


「生まれなければ――」


わずかに、口元が(ゆが)む。


「俺たちみたいに、ならずに済む」


嚥下(えんげ)する。

満足したように、細く息を吐く。


エレナの身体が崩れる。

まだ生きている。

目が動く。

口がわずかに開く。


しかし――


何も残っていない。

それでも、手はあるはずだったものを掴もうとしていた。



夜の空気が肺を焼く。

それでも立ち止まれない。


だが――


「……来る」


カイルはリィナの手を引き、少女の背を押す。


「走れ!!」

二人の少女の姿が小さくなる。


嫌な予感は的中した。


振り返るとそこに、いた。


怪物が立っている。

口元から首元にかけて、赤黒く濡れていた。

(したた)る。

まだ温かいものが。


「……」


言葉が出ない。

分かってしまった。


(もう……)


「……っ」


カイルが一歩踏み出し、剣を構えた。

震えている。


だが、踏み込む。


(剣は振り出しで決まる)


父の声が蘇った。


呼吸を落とす。

肩の力を抜く。

腰を沈める。


そして――


「――閃突(せんとつ)ッ!!」


未熟。

速さも、重さも足りない。


しかし。


勇気ある一歩は、怪物の身体を穿つ。

風穴が開く。

血が飛び散った。


しかし――


埋まる。


瞬時に。


届かない。


「……はは」


笑いが漏れる。

わかっている。


自分じゃ勝てないことくらい。


それでも。


「……来いよ」



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― 新着の感想 ―
「剣は振り出しで決まる」という父の言葉を胸に、震える足で踏み込んだカイルの勇気。 2人で逃げて欲しい。 でも、それが大切な人を守るための精一杯の一撃であることに胸が熱くなります。 理不尽な怪物へ立ち向…
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