第5話「産まれない事が救いか」―胎児喰い―
「やめて――!!」
エレナの声が、裂けるように響く。
腹を庇うように後ずさる。
男はゆっくりと歩み寄る。
足取りは歪んでいる。
踏み出すたびに肉が崩れ、ずるりと垂れ、
次の瞬間には引き戻されるように繋がる。
それでも、確実に距離を詰めてくる。
逃げ場はない。
「……大丈夫」
男が、初めて言葉を発した。
穏やかな声だった。
場違いなほど、優しい響き。
「怖がらなくていい」
エレナの呼吸が止まる。
理解が追いつかない。
声がした。
「分かるよ」
一歩、近づく。
腐臭と血の匂いが濃くなる。
「守りたいんだろう?」
その視線が、腹に落ちる。
ねっとりと。
舐めるように。
「いいね……その形」
手が伸びる。
逃げようとする。
だが間に合わない。
指先が触れた瞬間――
腹部に熱が走った。
皮膚が裂ける、ではない。
こじ開けられる。
「……ぁ゛っ!!」
声にならない悲鳴。
肉が左右に引き裂かれる。
血が噴き出す。
温かい液体が床に叩きつけられ、飛び散る。
指が食い込む。
内側をまさぐる。
ぐちゃり、と音がする。
臓腑が押し潰される。
引き剥がされる。
エレナの身体が痙攣する。
それでも、両腕は子を守ろうとする。
腕が動く。
だが――
その腕ごと、ねじ切られる。
「大丈夫」
男は繰り返す。
優しく言い聞かせるように。
「すぐ、楽になる」
内部へと、手が潜り込む。
何かを掴む。
まだ形になりきらない、柔らかいもの。
血と粘液にまみれたそれが、空気に晒される。
「……あぁ」
男の肩が震える。
恍惚。
壊れたように。
「これだ」
エレナの喉から、かすれた音が漏れる。
言葉にならない。
ただ、震えるだけの音。
「守ろうとしてたんだね」
男は笑う。
歪んだ口元が、ゆっくりと開く。
噛みつく。
ぐじゅ、と音がする。
柔らかいものが潰れる。
歯の間から、赤黒い液体が溢れる。
「……よかったね」
噛み砕きながら、穏やかに言う。
――「これで、苦しまない」
こんばんわ、アトレイです。
だ、だ、だ、、、
大丈夫でしょうか、この感じ。
個人的にはアウト寄りのセーフだと思ってます。
そして、新事実。
これを書いている現在、、、
妻が妊娠しております。
倫理観ないよなぁ……だから思いついたんではないんです、信じてください。
この構想は、十年以上も前のものなんです。
すごく影響された作品がありましてね。
そんな作品が書きたいなーって空想してた頃に、ちょうど世界のシリアルキラーの動画がオススメに流れてきまして、、、(んなもんオススメすな
そこらへんの話もどこかでできたらいいなーなんて思ってます。
次は兄カイルの回です。お楽しみに。
でわでわ。




