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エリミネアー世界の敵を排除するー  作者: AtoRei
第2章

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第5話「東の戦士たち」—北への召集—



東の拠点は、空が高かった。


崩れかけた石造の塔が幾重にも積み重なり、【侵腐(しんぷ)の森】の胞子さえ届かない高みにある。


天井はない。

吹き抜けの空間の遥か上方で、澄んだ夜空が広がっていた。


大広間には、すでに九つの影が立っていた。


リュシアの足が、ぴたりと止まった。

視線が、最前に立つ女性へと吸い寄せられる。


背に大剣を負い、銀髪をきつく後ろで束ねた戦士。

露出した腕には古い傷跡が幾重にも走っていた。

その存在だけで、空間全体に緊張が張りつめる。

No.4 ——ユスティナ。

この東の地で、最強の「戦士」。


記憶の中の姿と、何も変わっていない。


——いや、違う。

あの頃よりも、ずっと遠い。


「……」


声は出なかった。


「揃ったようだな」


低く、身体の芯まで響くような重さの声。


No.9 ——アルゴス。


他の戦士たちの注意が二人に集まる。


「今から任務を伝える」


ユスティナの声は感情を削ぎ落としていた。

ただ、冷たい事実だけが並べられる。


「北地域にて上位種が確認された。数は複数。すでに交戦中だ」


わずかな間。


「そして、No.10が戦死している」


空気が、ほんの僅かに重くなった。

それでも、誰も動揺しない。

誰も声を上げない。


「……【共喰い(イーター)】の出現報告はない。純粋な上位種だ」


その一言で、十分だった。


ユスティナは淡々と続けた。


「上位種は、成体が捕食を重ね、崩壊を乗り越えた個体だ。過剰に肥大化した肉体が圧縮され、人に近い形に収束する」


視線が、ゆっくりと全員をなぞる。


「密度も、速度も、出力も、成体とは別物だ。一体で隊を壊す」


一瞬の間。


「そして何より……飢餓がない」


その言葉に、わずかな緊張が走った。


「喰う必要がないという意味だ。奴らは、目的で動く。主義を持ち、理由を持ち……哲学すら持つ」


ユスティナの声が、最後にわずかに低くなった。


「人間に限りなく近い、正真正銘の化け物だ」


静寂が落ちた。

風が吹き抜ける音だけが、遥か上空で鳴っている。


「戦線は押されている。増援として東から四名を派遣する」


そこで初めて、ユスティナの視線がゆっくりと流れた。


アンテラ。

ハーレイン。

そして――リュシア。


一瞬だけ、視線が交わった。

それだけだった。


「以上だ」


短く切り捨てる。


「顔合わせを行う。それ以外の者は解散」




こんばんわ、アトレイです。


2桁ブックマークありがとうございます!

引き続き、【ブックマーク】と【⭐︎5の評価】をお願いします。


実は、本日からカクヨム様でも投稿を始めています。

こちらは大幅に加筆修正をしています。


あちらの方も覗いてみていただけると嬉しいです。


でわでわ。



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― 新着の感想 ―
エリミネアの異様さや不気味さ、そしてその生々しい描写に冷や汗をかきながらも、強く引き込まれました。 この世界に漂う絶望感がひしひしと伝わってきて、読んでいる間ずっと緊張感が途切れませんでした。 そんな…
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