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エリミネアー世界の敵を排除するー  作者: AtoRei
序章「産まれない事が救いだった」

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第2話「続いていくもの」―家族―



――理解が追いつかない。


「これが我が剣技・閃突(せんとつ)だ」


速い、どころではない。

理解が追いつかない。そう思わせる剣だった。


少女の喉元で止まった木剣を見て、カイルが前へ出る。


「すげぇ……!!」


父の剣に目を見開いたまま、木剣を構える。


「父さん、今のやつ!!俺も!!」


「やってみろ」


言われるなり、カイルは勢いよく踏み込んだ。


「っ、はあっ!」


突きは速い。だが速いだけだ。

腰が浮き、

肩が流れ、

力がまっすぐ乗りきっていない。


ユリウスはわずかに半身で(かわ)し、木剣で軽くその手元を払った。


「うわっ、いてっ!」


「感情だけが先に前に出ている。剣より先に、お前の殺気が届いている」


「そんなの分かるのかよ……」


「分かる」


ユリウスは真顔で言い切った。


少女は思わず笑いそうになる。

カイルは不満げに唇を尖らせたが、悔しさの奥に楽しさが見えていた。


「お前はどうだ」


ユリウスが少女を見る。

少女は少し迷ってから答えた。


「……難しい」


「そうだろうな」


「でも、なりたい」


強くなりたい。

父のように。

守りたいものを守れる剣が欲しい。


ユリウスはわずかに目を細めた。


「いい答えだ」


その一言が、胸の奥に静かに残った。



家の中は、甘い匂いで満ちていた。


焼ける生地の香ばしさ。

温めた果実の酸味。

溶けた砂糖の、少し焦げた匂い。


「まだ見ちゃ駄目よ」


エレナが笑いながら言う。頬に少しだけ小麦粉がついていた。


テーブルの上では、リィナが椅子に乗って背伸びをしている。

小さな手を懸命に伸ばし、覗き込もうとしては「こら」とやんわり止められていた。


「すごいよ、お姉ちゃん!ろうそくもあるよ!」


「何本?」


少女が聞くと、リィナは両手をいっぱいに広げた。


「いっぱい!」


「いっぱいって……それ、何歳分だよ」


カイルが小さく笑う。


「いっぱい!」


「答えになってないな」


二人のやり取りに、エレナがくすりと笑う。


その手は自然と腹へ添えられていた。


まだ小さく、しかし確かにそこにある命。

衣服の上からでも分かる、わずかな膨らみ。


「賑やかになるわね」


エレナが言う。


「これ以上かよ」


カイルが呆れたように笑う。


ユリウスはその様子を静かに見て、わずかに頷いた。


少女はその光景を見つめていた。


暖かい。

柔らかい。

壊れるはずのない時間。


――続いていくものだと思っていた。





こんばんわ、アトレイです。


第1話から引き続き、読んでいただきありがとうございます。


まだまだ平和!

誕生日って羨ましいんです。


私の誕生日は春休みシーズンでして、、、


進級だの進学だのでクラスのメンバーが変わって

なかなか祝ってもらえなかったんです。


でも、始業式に担任から誕生日をみんなで祝いましょう!とか言われて。


みんなの引き攣った笑顔、今でも覚えてる。


とか言って、友達少ないから時期とか関係ないんですけどね!!


次回から展開が転がり始めます。

第3話もよろしくお願いします。


でわでわ。



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― 新着の感想 ―
厳しい稽古の後の、甘い匂いと家族の笑顔がとても温かく、心に沁みます。 お母さんのお腹に宿る新しい命の描写に幸せを感じる反面、結びの一文に心臓が跳ねるような予感を感じます。 この先の展開も大切に読み進め…
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