第1話「剣は振り出しで決まる」―閃突―
◆
壁の外には、【エリミネア】がいる。
人を襲い、喰らい、成長する異形。
人々は彼らを「世界の敵」と呼んだ。
そして、その敵を排除する者たちがいる。
――《機関》の戦士。
遠い街で、
異形と戦い続ける者たち。
リュシアは、まだ本物を見たことはない。
けれど、父の剣を見るたびに思う。
もし父が「戦士」だったなら、
きっと誰よりも強かったのだろうと。
父は騎士だった。
今は違う。
それでも、
誰かを守るために剣を振るう姿は、
リュシアにとって、ずっと憧れだった。
いつか、自分も。
守られる側ではなく、
誰かを守れる人になりたい。
父のように。
そして、《機関》の「戦士」のように。
◆
朝の空気は冷たい。
吸い込むたびに肺の奥が細く痛んだ。
庭に立つ少女は、白くほどける息を見つめながら木剣を握り直す。
夜の湿りを残した土はやわらかく、
踏み込めば足裏にじっとりと重みを返してくる。
「遅い」
低く、よく通る声が飛ぶ。
ユリウス・ヴァレンタイン。
かつて騎士だった男。
怪我により団を退き、今は居住区で子供たちに剣を教えている。
「もう一度来い」
少女は頷き、木剣を構えた。
怖い。
だが、逃げたくはない。
一歩踏み込む。
肩に力が入る。
自分でもそれがわかった瞬間――
「踏み込みが甘いっ!!」
木剣が弾かれた。
乾いた音が庭に響き、衝撃が手首から肘へ走る。
思わず息が詰まる。
「剣は、振った時に決まるんじゃない。振り出しですでに決まっている」
ユリウスはそう言って、半歩だけ踏み込んだ。
見えなかった。
次の瞬間には、少女の喉元に木剣の先端が止まっている。
文字通り首の皮一枚。
冷たい殺気だけが、ぞわりと全身を這い上がった。
「これが我が剣技・閃突だ」
少女は息を呑む。
――理解が追いつかない。
◆
こんばんわ、アトレイです。
以前から予告しておりました、ダークファンタジー作品を投稿してみました。
今から言っておきます。
……グロいです。
覚悟して読んでください。
そして、声を大にして言わせて下さい。
私にこんな趣味はありません!!!!
『問題児たち』とはかなり違ったテイストなので、
どちらも楽しんでいただけたら嬉しいです。
そして、もしよろしければ【ブックマーク】と【⭐︎5の評価】をお願いします。
でわでわ。




