第十日 前
<AOG訓練科棟:訓練場>
啓去「皆は今、戦闘技術や能力を伸ばしているだろう。そこで今日はちょっとした模擬試合を行う。」
啓去「生命体達はどんな能力を使うのか不明だ。死んで行った職員の5割は初撃で死ぬ。」
啓去「例えば、こんな小さな生命体が…」
啓去「一瞬でビルを溶かし尽くす」
日来守「っ…すごい溶け方」
豚日「…ぅげ」
啓去「死に際に爆発するような種類もいる。そこで、今日はこんな訓練を行う」
啓去「特殊科の人を何人か連れてきた。お前達のはコイツらの能力を知らない。相手の能力を推測したり観察しつつ、戦闘する技術も身につけて欲しいわけだ」
啓去「これから模擬試合を行う。お前達は彼らに付けた風船を割れ。割れば得点だ。」
啓去「お前達には、このシールを急所に貼る。そのシールが汚れる、破れる、色が付く…などした場合、減点だ。今やってる戦闘技術に加えて、特別な回避技術をミッチリ叩き込むからなぁ!」
朱九「採点は自分と啓去さんの二人で行います。能力の使用はあり。あくまで怪我のない範囲でお願いします」
…
啓去「さてと…次は日来守か」
朱九「お相手はクラゲ教授ですか」
…
ジリ…ジリ…
日来守「…(能力がよめない。クラゲ…電気?)」
クラゲ教授「ホッホッ…ヒントをあげると、そこも射程範囲じゃよ」ヒュルルルル
日来守「触腕ッ!」タッ
クラゲ教授「これを避けたか。おそらく素の運動能力では無いな?能力との併用か…」ブツブツ
日来守 (は、早かった。それに、的確に急所を突いて来て…)
日来守 (あのデカデカとした風船を見たら、てっきり…不利なのは特殊科の人達だと思ってた。…でも)
ヒュルルルル
クラゲ教授「ホッホッ…ほらほら、来ないならこっちからいくぞ」
日来守「うっ…くっ…早い…!」
日来守 (壁に追い詰められてる…それだけじゃない。左右も触腕で防がれてきてる。このままじゃ…)
日来守「でも、これだけじゃ終わらない!」パッ…ペシンッ
クラゲ教授「おぉ…っ、慣れてきたか!」ヒュルルルル…ヒュルルルルッ
日来守「このまま躱して、いなして…」
日来守 (この触腕…形が…違…)
ピリッ
日来守「痺ッ…あぁ…!脇腹のシールがぁ…」
啓去「動きはいいが、遂に当たったな。それに、触腕を叩き落とす案は悪くない。だが、そこに毒があれば…と考えると」
朱九 (今日はさすがに禁酒してるのか…)
日来守「はぁ…はぁ…」
クラゲ教授「大量がもう無いようなら…そろそろ」
クラゲ教授「ん…?触手が…絡まって」
日来守「へへ……計画通り。叩き落とすように見せかけて、実は!磁性を付与してたんだっ!」タッタッ
クラゲ教授「ホッホッ…封じたつもりか。じゃが、これはこれで…迫り来る巨大な触手として使えるのぅ!」ズズズ…!
日来守 (ギリギリまで…引き付けてッ!)
日来守「反発しろっ!」
ボヨインッパ
クラゲ教授「なっ…跳ねた?!」
日来守「そして、空中で…合体ッ!」
ビタァァッ
クラゲ教授「ホッホッ…か、完全に絡まってしもうた」
日来守「よしっ、トドメ!」
パンッ…ポパンッ
啓去「いい動きだったな」
啓去「だが、最後の最後で油断したな。風船の中の液体を浴びてシールが全部ダメになった」
日来守「ぅ…くそぉ〜!」ビッチャバチャ
朱九「身体冷やさないようにね」
………
豚日「あ、見た事ある」
蜘蛛足「初めましてではないね」
豚日 (上半身は人…下は蜘蛛。そして…風船をどこにも付けてない?蜘蛛の腹(?)の部分に…?)
蜘蛛足「もう始まってるんだよ!」タッ
豚日「っわ?!」ダッ
豚日 (どうしよう…能力使って身体を大きくしたらシールが破けそうなんだよなぁ…腕とか脚だけを伸ばすとか?)メキキ
蜘蛛足「うんぁっ?!等身が変わったよ!」
豚日「これで逃げやすい」ダッダッ
蜘蛛足「まっ、待てよ〜!」
豚日「今ッ」スッタンッ
蜘蛛足「宙返り…!?」
豚日「背後取った!」ガシっ
蜘蛛足「っ、掴まれちゃったよ」
豚日「風船…破壊!」
……
豚日「腕は濡れたけど…シールは無事です」
啓去「まぁ、上出来だな」
……
<待機所>
日来守「ふぅ…サッパリ」
豚日「あ、日来守ももう終わってたんだ。…なんかサッパリしてる」
日来守「豚日もシャワー浴びてきたら?」
豚日「僕は腕しか濡れてないからいいよ」
日来守「叶想ちゃん達大丈夫かな?」
豚日「僕は芯の方が心配だよ。戦闘向きの能力とは言えないからさ」
日来守「そっか、真鍮を出せるんだっけ」
豚日「そう。大丈夫かな〜?」




